男性や若年層にも気軽にアロマを楽しんでもらおうと、坂戸在住の高橋淳音(あつと)さん(私立青稜高校3年生)がブランド「souveniraroma(スーベニアアロマ)」を立ち上げ、6月より精油(エッセンシャルオイル)の販売を始めた。今後はSNSなどでも情報発信していく。
精油は植物の香り成分を抽出した天然の油。香りにより、心身のリラックスやリフレッシュを促す効果があると言われている。
高橋さんは高校2年生の時、公益社団法人日本アロマ環境協会のアロマテラピー検定1級に合格、その後アロマテラピーアドバイザー、アロマブレンドデザイナー、アロマテラピーインストラクターに認定された。同法人の個人正会員約5万人のうち、19歳以下はわずか38人。男女比は圧倒的に女性が多く、男性は全体の4・7%という(2021年3月末時点)。数が少ない「現役男子高校生」の肩書きを生かし、事業を始めた。
ブランド名の「souvenir」は「記念」という意味を持つ。「嗅覚は五感の中でも人間の記憶に直結すると言われている。思い出が蘇るきっかけとなるような香りを届けたい」と高橋さん。
「スーベニアアロマ」のオンラインストア(https://souveniraroma.stores.jp/)では現在、ラベンダーやグレープフルーツなど8種を販売。自身が10社以上から精油を取り寄せ、嗅ぎ比べて厳選した。「業者によって香りは変わってくる。万人受けするようなものを選んだ」。今後は精油をブレンドしたオリジナル製品も販売する予定という。また、SNSを使って具体的な使用場面を提案することで、より身近に感じてもらえるよう情報発信していく。
趣味から商品化へ
高橋さんがアロマに興味を持ったのは小学4年生の時、母の日にアロマディフューザーをプレゼントしたのがきっかけ。「母にあげたのに、自分の方がはまってしまって」。中学生になると小遣いを貯め、溝の口の丸井に足繁く通い、アロマグッズを購入していたという。
趣味として楽しんでいたが昨年、父親の昌也さんが起業したのを機に、「自分の感性をアピールしたい」とアロマで事業を行うことを決意。資金面で支援は受けながらも、企画・開発はすべて担った。「取引先にメールを打つのも緊張したけど良い経験。学校では生徒会に所属しているけど、違う責任を感じる」と話す。商品に対しての自分のこだわりと妥協の折り合いも難しいと言い、日々、試行錯誤しながら商品開発を行なっている。
近くで様子を見てきた父・昌也さんは「ここまで形にしてよくやったと思うが、これから買ってもらうのが大変。辛辣な意見なども出てくるかもしれないが、それを含めて楽しんでもらいたい」と背中を押した。
高橋さんは化学が好きで、中1で毒物劇物取扱者試験に合格したほか、乙種1・3・6類危険物取扱者試験にも合格している。大学も理系志望だったが、経営学や経済学にも興味が出てきているそう。「大学に進学しても事業は続ける。中高生向けに香りの楽しさを伝える教室も開きたい」と展望を語った。
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