多摩区内で振り込め詐欺の被害が後を絶たない。県内の被害額は過去最悪を記録し、特に多摩区内での発生が多いという。金融機関で振り込ませる手口だけではなく、手渡しで受け取る手口が増えるなど複雑化している。
昨年1年間に神奈川県内で発生した振り込め詐欺の認知件数は1340件で、被害額は過去最悪の41億2300万円。60歳以上の被害者が多く、特に70代の女性に集中している。
犯人が被害者を騙す手口として最も使われた名目は「鞄・財布等の紛失(61%)」。次いで「債務・保証人等(13・3%)」、「妊娠・中絶費用等(7・9%)」と続いた。振り込め詐欺の名称で周知されているが、実際の手口は手渡し型が9割を上回り、振り込みは0・9%だった。
多摩警察署管内では、今年に入って7件(2月9日時点の速報値/うち未遂1件)発生し、被害額は約1100万円にも上る。県内54署管内で多摩区は被害件数、被害額とも著しく多い。先週発生したケースは振り込みだった。区内で発生が多い要因は明らかではないが、多摩署では「昔の電話帳が使われているという話もある。別の署でも昔からの住民が多い地区で発生する傾向がある」とみている。
チラシ20万枚新たに配布
多摩署ではこれまで、疑わしい電話があった地域にパトカーの拡声器で注意を呼びかけたり、コールセンターを通じて電話で注意を喚起したりと、対策に乗り出しているが、被害が後を絶たないのが実情だ。
こうした事態を踏まえ、多摩署では振り込め詐欺に注意を促すチラシを新たに20万枚作成。70代以上が被害者の82%を占めていることから、年金支給日にあたるきょう14日から金融機関のATMで配布し、警察官の巡回時にも配布する。多摩防犯協会と協力してポスターを200枚作成し、町内の掲示板のほか、公共交通機関への掲出を依頼して広報していくという。
多摩署は「あらゆる機会を通じて注意喚起していきたい」としている。
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