川崎市「第1回 いらっしゃい!商店街のNew Shop」で奨励賞に輝いた 佐藤 惠子さん 南生田在住 61歳
陽気と勇気、いつも心に
○…3度のスペイン旅行で人々が集いワインと会話を楽しむ「バル」に心惹かれ、3年前にワインと家庭料理のお店「ティーダバル」を読売ランド前駅近くで開業。八百屋だった店舗を改装し、女性一人でも気軽に立ち寄れる憩い空間をつくり上げた。「スペインではどこの村に行ってもバルがあり、陽気に語り合っている。住んでる街でそんな楽しい店をつくりたいなって」。夢を叶え、今日も厨房に立つ。
○…生まれ育ちは沖縄県。客室乗務員を目指して上京し、短大卒業後は日本中央競馬会を経て、34歳のとき川崎市立小学校の給食調理員に転身。東菅小、菅小など5校で24年間勤務した。「昼食を6年間作り続けるのは、子どもの命を預かるのと同じ」。おいしくて健康的な献立に力を注いできた。「子どもたちがみんな顔を覚えてくれる。毎日ふれあうのが楽しくて」。子は親と社会と地域が育てる。母親のような思いを傍らに、一心に現場を駆け抜けた。
○…経営は全くの素人だったが、市の起業セミナーに通い、58歳で退職。数カ月で開店にこぎつけた。料理は10年来、都内の「スペイン料理文化アカデミー」で学ぶ傍ら、主宰者のイベント運営も手伝う行動派ぶり。以来、お店を拠点に顔が見える人間関係が広がっており、地元では少年サッカーチームやワイン会を発足させるなど、活動分野は幅広い。夫が始めた沖縄三線教室には、20代から70代の十数人が参加。今年夏には、沖縄の海を前に、レッスン生らと三線を弾くイベントを計画中だ。
○…沖縄の方言で、店名の「てぃーだ」は太陽、「ばる」は原っぱという意味。大好きな地元で、元気を売れたらいい―。来店がきっかけで知り合い、結婚したカップルが2組いる。「明日結婚しますって2人であいさつに来たときは、嬉しくて。母親みたいな気持ちだった」。店内での一幕に思いをはせる。「お客様や仲間に恵まれている。楽しさが私の給料」。瞳を輝せ、笑った。
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4月18日
4月11日