福昌寺の副住職としてさまざまな催しに取り組む 飯沼 康祐さん 菅北浦在住 34歳
自然と足が向かうお寺に
○…「すげ寺子屋食堂」やお月見を楽しむ「十五夜座禅会」など、福昌寺を会場にお寺らしいユニークな催しを開催し続けている。特に力を入れているのは、座禅と旬の食材を使ったお粥を食する会、精進料理会などの料理をテーマにしたもの。雑誌などに精進料理レシピを紹介するコーナーも持ち、13年にダライ・ラマ法王が来日し、都内で開かれた若手宗教者100人との対話会の際にも精進料理をふるまった経験をもつ。
○…「法事や葬祭以外でもお寺に触れる機会を増やしたい」と5年前に初めて精進料理会を開いた。その正直な人柄からか、会を重ねるごとに手伝いを買って出てくれる人が現れ、今では会ごとにリピーターが多く訪れている。開催後には協力してくれた人たちと反省会を開く。お酒を片手に熱のこもった討論を展開することも多い。「会に参加した人が笑ってくれることが喜び。どうしたら来てくれる人に満足してもらえるか、居心地の良い場所にできるかを語り合っている」
○…1580年頃、安土桃山時代に建立された金剛山福昌寺(天台宗)の31代目として生まれた。住職である父が見守る中、19歳で比叡山延暦寺へ修行に向かった。「とにかく正座がきつかった」と振り返る。食べるのが好きだったため「料理をするお坊さんになろう」と決心。大学卒業後、都内飲食店に勤務し調理師免許を取得した。「副住職としての務めを基盤に、精進料理を通して、自然と足が向かうお寺にしたい」
○…最近の息抜きは、5歳になる息子とのキャンプ。仕事の合間を見つけては近場でテントを張り一晩過ごす。外出できない時は建物の中にテントを張ったことも。「虫の音や水流音を流して外の気分を味わう」と笑顔に。町内会の子ども会でも座禅を行ったり、消防団に所属したり地域活動も欠かさない。「やってみないとわからないことは多い。考えるだけでなく、実践しているお坊さんになりたい」
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11月22日