意見広告・議会報告
市政報告 手放しで喜べない地方交付税の「不交付団体」 川崎市議会議員 三宅隆介
地方交付税とは
今年度(平成28年度)、川崎市は地方交付税の不交付団体になりました。よくこのことを自慢げに言う本市関係者がおられますが、まったく自慢できることではありません。
地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するためのものです。一定の合理的な基準によって、国庫から各地方公共団体に再配分されています。
簡単に言いますと、その合理的な基準は、その自治体の財政力とインフラへの投資量で決まります。インフラ投資の対象は主として、道路、鉄道、港湾、上下水道、公園、区画整理事業などです。
川崎市よりも賢く投資する横浜市
例えば、川崎市が不交付団体であるのに対し、お隣の横浜市は交付団体で約180億円もの額が交付されています。行政の規模からして川崎市の規模(人口や面積)は横浜市の約3分の1ですので、横浜市への交付額が180億円であるのなら、川崎市には約60億円が交付されてしかるべきです。ところがそうはならない。これは、横浜市の財政力が川崎市に比べて劣っているということではありません。
川崎市に比べ、横浜市のほうが公共インフラに投資しているため、「その分の行政費用がかかりますね」という国の判断かと思われます。グラフのとおり、川崎市は政令市で唯一交付されていない自治体ですが、川崎市だけが財政力が優れている、というわけではありません。要するに、川崎市が地方交付税の不交付団体であるのは、横浜市などに比べてインフラへの投資を怠っているからです。
国から効果的におカネを引き出せていない川崎市
他の政令市は財政規律を程よく維持しつつ、必要なインフラ投資を行いながら、国に対していかに自主財源比率を低くみせるかの工夫をしており、うまく国の財源を引き出しているのです。このことは、当該自治体の住民にとって大きな利益です。国税として納めた税金がまた自分の自治体に還元されているわけですから。
川崎市にはそうした努力が足りないため、結果として川崎市民は損を強いられていることになります。
例えば多摩区においても、まだまだやらねばならない公共インフラの整備は山積しています。であるからこそ、国の財源を効果的に引き出して、川崎市民の生活と経済活動の利便性を高める公共インフラの整備をしなければならないのです。去る12月議会では、川崎市長にそのことを強く要望しました。
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1月17日