空き家の実態把握のために川崎市が実施した現地調査が先月公表され、昨秋時点で市内に約640軒の空き家があることが分かった。建物の有効活用に向け、市は来年度から所有者の意向確認に着手する方針だ。
調査対象は市内の戸建て住宅で、市消防局が定期巡回する743軒と、市民から相談が寄せられた99軒など848軒。昨秋から約1カ月間、市職員が建物外観を目視して回った。
電気メーターの使用頻度や洗濯物の有無、建物の傾き、老朽化の度合い、雑草、ごみの状態などを確認し、約640軒を空き家に判定。このうち倒壊の危険など構造上の問題がある建物は8軒、衛生面や景観面で周囲への影響が大きい建物は78軒だった。これまでに各区役所には「草木が荒れてハチや蚊が発生している」「物干し場が倒れそう」などの相談が周辺住民から寄せられているという。
市は有識者らによる対策協議会と連携して3月までに調査結果をまとめ、建物の利活用の意向などを確認する所有者へのアンケート調査を4月以降に行う計画だ。所有者に売却や賃貸管理などの考えがあれば、市が民間事業者を紹介するなど改善策を後押しする。市の担当者は「地域開放を希望する場合は、地元団体との連携を模索していく。現状の空き家でごみや草木の処理など早急に対応できるものについては、関係部局が対応する」と話す。
住宅密集地に懸念
2013年の総務省による調査では、総住宅数に占める管理不十分な「その他の住宅」の割合は、全国の5・3%に比べて川崎市は1・8%と政令指定都市で最も低い。しかし、市南部は狭あい道路や木造住宅密集地が多い傾向にあるほか、北部では高齢化による空き家の増加が懸念されている。
市は「空家等対策計画」を昨年策定し、2021年までの5カ年計画で進めている。空き家を有効活用することで市民の生活環境を守り地域活性化につなげるほか、空き家を増やさないためのセミナー等を開催し市民の意識向上をめざす。
「人口増加が進む川崎市は他都市より空き家は少ないが、周辺住宅に悪影響があるのは事実。持ち家があれば、今後の管理などについて家族で話し合ってほしい」と呼びかける。
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