麻生区の黒川地区で育った、新栽培法によるアスパラガスが初めて収穫を迎えた。全国に先駆けて初出荷され、JAセレサ川崎の大型直売所「セレサモス麻生店」で先月から販売。手間がかからない、高い付加価値の生産物として期待が集まる。
アスパラガスの新栽培法「採りっきり栽培」は、明治大学農学部(東三田)野菜園芸学研究室と民間企業が共同開発。一般的に栽培が難しく、定植から収穫まで通常3年かかるとされる工程を1年に短縮した。初年度に株を養成すると、翌春に全て収穫できる(採りきる)のが特徴だ。
同研究室の元木悟准教授は「アスパラガスは4月が春収穫の端境期(ハウスものが終わり、露地ものが始まる前)と言われ、出荷量が全国的に減る時期。その時期に『採りっきり栽培』を導入すれば、若茎を大量出荷することができる」と説明する。
川崎市は都市農業を活性化するため農商工連携事業を進めており、高い付加価値が期待できるアスパラガスの採りっきり栽培に試験的に取り組んでいる。麻生区黒川の17件の農家が協力し、昨年3月に3500株のアスパラガスを植えた。梅沢正廣さん(67)は、アスパラ栽培に挑戦している農家の一人。昨年150株を譲り受け、元木准教授の指導を受けながら育ててきた。今春に初収穫を迎え、JAセレサ川崎の大型直売所「セレサモス麻生店」に先月初めて出荷した。
梅沢さんは1日50本ほど、約1キロを収穫し、1本25センチくらいの大きさ3本を300円で販売している。5月中旬まで収穫できる見通しだ。「無事に収穫を迎えることができてほっとしている。栽培には手ごたえを感じているので、あとは売れてくれれば」と話す。
市都市農業振興センターでは販売促進のために、商品用ラベルを用意。「川崎市内産の農産物としてブランド化していきたい。今後も定着するように継続して協力していく」と意気込む。直売所を運営する同JA販売統括センターの松井浩幸センター長は「アスパラは鮮度が命。朝採れのアスパラをぜひ味わってもらいたい」と語る。
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