1988(昭和63)年に開始し、2025(令和7)年度完了に向けて進展する登戸土地区画整理事業。進ちょくの目安になる仮換地指定が2019(平成31)年1月末時点で86%に達し、市は今年度中に駅前広場を含む登戸駅南口側の事業着手を目指す。同事業初の集団移転で道路が完成した駅西側では、住民主体による新たなまちづくりの活動が進んでいる。
生活環境の改善や防災力向上を掲げて始まった区画整理事業だが、移転する建物が多いため、事業長期化が課題とされてきた。市は事業を加速化しようと、従来の玉突き移転方式から、まとまった地区で建物の移転や解体の時期を合わせる「集団移転方式」を盛り込んだ整備計画を2013年に策定。登戸駅西側周辺地区では、集団移転を終え3月13日から新しい道路が使えるようになった。
事業未着手地区がまとまって残る駅南口は、市の都市計画道路「登戸野川線」や「登戸駅線」が通り、駅前広場がある重要な場所の一つ。登戸区画整理事務所は「これらの道路は、小田急電鉄が開発を手がける向ヶ丘遊園跡地の温浴施設への導線になる可能性もある。まちの価値を高めるために、権利者と行政で一体になり事業を進めていきたい」としている。市は年度内の事業説明会開催を目指し、調整を進める。
まちの将来像を考えようと発足した、駅西側地区の地権者による「登戸駅西側まちづくり検討会」は、換地による新たな整備の開始とともに役割を終えたが、「登戸を良くする地主の会」(吉澤明紘会長)として活動を承継。地権者は地元在住ではない人もおり、45人のうち活動に参加するのは半数あまりという。吉澤会長は「イベントでの情報発信などで認知度を高め、参加者を増やしたい」とし、「地主の会の活動を通じて情報共有を図り、まちづくりに対する意識を高められれば」と話す。
駅周辺の活性化に取り組む市民団体「登戸そだて隊」の高山康司代表は「人に選ばれるまちになるよう市や小田急、JR、各団体との横の連携を強め、展望を話し合う場が持てるようきっかけづくりに努める」と語った。
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