多摩区は「登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地区賑(にぎ)わい継承事業」として、AR(拡張現実)を使った初の試みを6月15日に開始。両駅や生田緑地の各施設をつなぐ区内9カ所に異なる「ARスポット」を設け、楽しみながら回遊してもらおうという考えだ。
ARスポットは登戸駅や向ヶ丘遊園駅、登戸1号踏切、生田緑地東口、日本民家園、かわさき宙と緑の科学館、岡本太郎美術館などに設置。各所に掲示されたポスターにある「QRコード」をスマートフォンのカメラで読み込むと、その場所にちなんだ写真がカメラ画面に表示されるなど、独自のコンテンツ(仕掛け)が施されている。
各スポットには異なるARの仕掛けが隠されている。岡本太郎美術館では、太郎と一緒に写真の「自撮り」ができるARフォトフレームが起動。登戸1号踏切には、1957年から現在までのロマンスカーの貴重な写真と解説が見られるARがあり、小田急電鉄の協力で実現したという。
区企画課は「スマホを片手に両駅と生田緑地内の施設を歩き回ってもらい、その場所の魅力を感じられる仕掛けを楽しんでもらえれば」と期待を寄せる。区民や地元団体との連携も模索しており、多摩区商店街連合会の安陪修司会長は「商店会への企画提案、要請があれば協力する」と話す。
専用アプリ不要
ARコンテンツの委託業者、インフォテックス(株)(品川区)は「専用アプリをスマホにインストールしなくても、標準カメラやQRコード読み取り機能を使ってブラウザ上で手軽に楽しめるのが特徴」と説明。同社ではARの利用者数や時間帯、エラーなど各スポットのデータを収集し、今後のサービス向上に役立てるという。
区企画課によると、同社の解析データをもとにスポットの場所やコンテンツ内容を見直し、今秋以降をめどに改良する予定。8月末までのデータが9月中には区に提出される見通しだ。
各スポットの設置期間は来年3月31日まで。設置場所など詳細情報は、区ウェブサイトまたは配布中のチラシで閲覧可。
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