東日本大震災で長男を亡くした陸前高田市の淺沼ミキ子さんが7月11日、市立南生田中学校で講演した=写真。全校生徒を前に、「少しでも今日のお話が残って、命を守るすべにしてもらいたい」と思いを語った。
長男・健(たける)さん(当時25歳)は、勤務していた施設から利用者を避難所に誘導した後、津波にのまれた。淺沼さんは震災の教訓を次代に伝えるため、6年前に絵本「ハナミズキのみち」を制作。絵は「ごんぎつね」で知られる絵本作家で、川崎市内在住の黒井健さんが手掛けた。
淺沼さんは震災当時の出来事やその後の活動を振り返り、「もうどこのどなたにもこんな思いをしてほしくない」と熱弁。黒井さんも同席し、被災地を描くにあたっての苦労話を語った。講演後は10人ほどの生徒が手を挙げ、「安心して生活できるありがたさを感じた」「避難所も安全ではない、家族で相談しようと思った」と感想を話した。
今回の講演は、陸前高田市に移住した教え子がいる同校の佐藤和子教諭の提案で実現。網屋直昭校長は「生徒にとって、とても価値のある講演だった」と振り返った。
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