川崎新田ボクシングジムのプロボクサーで、3度目の日本タイトル戦に挑む 古橋 岳也さん 枡形在住 31歳
「好き」と「覚悟」で頂点へ
○…日本スーパーバンタム級(約55キロ以下)タイトル挑戦者決定戦で先月、判定勝ちを収めて3度目の王座挑戦権を獲得。決戦は来春ごろの予定だ。「現王者は強くて怖いが、相手に関係なく己をいかに高められるか」。ジムがある民家園通り商店会をはじめ、ずっと住む多摩区の声援を背に、集大成の一戦に臨む。
○…堰で生まれ育ち、運動が好きで小2から「堰子ども会野球部」へ。空手や水泳、水球も習い、市立稲田中学校では野球部に入ったが、中2のときボクシング漫画「はじめの一歩」の虜に。県立生田東高校に進学後、両親の反対を押し切り「世界王者になる」と高1の秋に川崎新田ジムの門を叩いた。初の大会では緊張で何もできず、大敗を喫したが「また頑張ろう」と前を向いた。アマチュア成績は3勝4敗。高校を出てプロ入りし、日本体育大学に進学。2年生のとき6戦を勝ち抜いて全日本新人王に輝き、進むべき道を確信した。
○…「負けたら引退」。3年前の前回タイトル戦に敗れた翌年、市内の製造会社に就職したが、「ボクシングに懸ける思いが足りなかった」と4カ月で退職。「好き」に「覚悟」が加わった。以降、負けなしでプロ通算26勝(14KO)8敗。昨年はベトナムのタイトル、OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級シルバー王座を獲り、人生初のベルトを巻いた。「周囲の見る目が一気に変わり、応援も増えた」。責任感をかみしめ、さらなる高みを目指す。
○…本名は大輔。4年ほど前、2人の弟「岳」と「陸也」にちなんで「岳也」に改名し、ジム休会から再出発を果たした。「苦しさより充実感が上。先月の試合、自分が勝って会場で知らない人同士がハイタッチしてるのを見てうれしくなった」。根っからのボクシング愛で、どん欲に下克上を狙う。
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11月22日