多摩交通安全協会の理事で、交通栄誉章「緑十字金章」を受章した 伊藤 栄一さん 宿河原在住 81歳
「安全」支えるまなざし
○…多摩交通安全協会で46年。交通安全功労者に贈られる最高章「緑十字金章」を受け、静かに喜びをかみしめる。理事を務める同協会では長く「会計」の役柄だが、受章者は各会の会長ばかり。「受章できるとは思っていなかった。通知の手紙で初めて実感した」と心中を明かす。「役員として運転中は常に安全を意識してきた。おかげで無事故」。穏やかに語る。
○…「安協」での活動開始は1974年。当時住んでいた長尾の支部員になり、通学時の交通指導や町会イベントの交通整理など、地域の安全と向き合った。92年からは15年間、交通指導員としても尽力。稲田小学校区にある信号「川崎市緑化センター南側」が持ち場で、今でも交通安全運動の時期には横断歩道に立つ。「朝7時半から8時半まで。いつも150人くらいの子どもたちが通る」。5人の孫の祖父として、「子どもの安全」への思いを注ぎ続ける。
○…長尾で左官業を営む家に生まれ、稲田小・中で少年時代を過ごした。40年前、稲田小の創立100周年の年にはPTA会長を務め、タイムカプセルを製作。「開けるのは10年後」とその日を待ち望む。川崎工業高で建築を学び、一般企業や家業を経て独立。宿河原に建築設計事務所を開き50年、一男一女も同じ道を歩む。職業訓練校での講師を長年務め、「自分でやってみないと」と実践的な教えを説く。
○…若者の車離れや高齢者の免許返納が進み、協会として「免許会員の減少」が課題だ。「参加してもらうことで活動が充実し、まちの安全につながる」と呼びかける。建築工事現場の事故防止を図る「川崎北木建協」では会長の立場。「工事現場の安全も交通安全と同じ。普段から口酸っぱく言うことが大切」。次代に思いを伝えていく。
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3月14日