シニア読み聞かせボランティア「りぷりんと・かわさき」(櫻木順子代表)の会員が出演する動画が、先月27日から配信されている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日頃の活動が中断されている中、ウェブを通じて地域の子どもたちに声を届ける。
2006年から活動する同団体は、多摩区を中心に54人の会員が所属。幼稚園や小学校、介護施設など34カ所で絵本を読み聞かせている。本来3月は、卒業や卒園前の最後の読み聞かせを行う時期。先月27日には、東日本大震災のときに計画を取りやめた発表会を行う予定だったが、新型コロナの影響で延期せざるを得なくなってしまった。
そこで動画配信を企画したのは、東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典さん。シニアの健康づくりのためのプロジェクトとして「りぷりんと」を立ち上げたのが藤原さんで、首都圏13自治体で読み聞かせ活動が展開されている中、りぷりんと・かわさきに声をかけた。インストラクターの熊谷裕紀子さんの指導の下、会員が読み聞かせる様子を撮影。著作権の都合で期間限定ではあるが、3月末時点で5本の動画を公開した。
同研究所は、ウェブを用いた高齢者の社会参加の新たなモデルとしても期待を込める。藤原さんは「ウェブを通した世代間交流の試みだが、その基盤にあるのは多摩区に根差したアナログの交流。『いつものりぷりんとのおじいちゃん、おばあちゃんが出演している』から意味がある」と説明する。櫻木代表は「会員は高齢で私も来年80歳だが、みんな元気。今おうちで過ごす時間が長い子どもたちに、ぜひ動画を見てもらいたい」と思いを話している。
絵本は『ねずみくんのチョッキ』『へんしんトンネル』『りんごがドスーン』など。動画はユーチューブ、同研究所社会参加と地域保健研究チームのチャンネルへ。
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