川崎市の伝統野菜「のらぼう菜」を菅地区で代々作り続ける、菅野戸呂在住の高橋孝次さん(88)が、書籍『のらぼう菜―太茎多収のコツ』を今月刊行した。
のらぼう菜は栄養価が高く、甘みが特徴のアブラナ科の野菜で、鎌倉時代から市内で栽培が始まったとされる。高橋さんは農業高校を卒業後、17歳で就農。のらぼう菜を次代に伝承しようと、中野島小学校で食育の出前授業を始めて以来、約40年にわたり市内学校を訪問。昨年度は約20校を訪れた。2001年に発足した「菅のらぼう保存会」の会長を務め、15年には県内2人目の「地域特産物マイスター」に認定された。
今回完成した書籍では、歴史や栽培方法のポイント、おいしい食べ方などを写真と共にまとめている。「のらぼうで人生の最後を飾る気持ちをこの本に託した。ずっと書きたくて、10年来の夢が叶った」と高橋さん。近々、出前授業の実施校に書籍を寄贈しに回るという。妻の寛子さん(83)は「この本のまえがきに(孝次さんが)『ともに歩んでくれた妻寛子に心から感謝の言葉を贈ります』と書いてくれたことがうれしい」と思いを寄せる。
執筆に協力した市民団体「かわさきのらぼうプロジェクト」の清水まゆみさんは「表紙題字は高橋さん直筆。のらぼう菜と共に歩んだ88年の重みを感じる」としている。
一般社団法人農山漁村文化協会発行、A5判88ページで税込1320円。市内書店や通販サイトAmazon(アマゾン)で購入できる。問合せは清水さん(norabona2020@gmail.com)。
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