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行事開催、可能性探れ デスク・レポート

コミュニティ社会

公開:2020年10月9日

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 ▼川崎市内のコロナ陽性者は10月5日時点で累計1613人に達し、収束の兆しは未だ見えない。地域の夏まつりや神社の例大祭をはじめ、各区の区民祭も相次ぎ中止に追い込まれている。大規模イベントや屋内公演の開催は慎重な判断が必要だが、地域振興やまちづくりの観点からも、感染対策を講じながら代替案の可能性を熟考する努力を怠ってはならない。

 ▼1日で例年約4万人を動員する「民家園通り商店会夏まつり」は規模縮小や延期を含め、開催の可能性について春から実行委員会が協議を重ねた。9月末の閉店が決まっていた同会加盟店のダイエー向ヶ丘店に「最後の花道を」との声もあったが、5月に中止が決定。この負の経済効果は計り知れない。一方で、同会の会員有志が中心になり、区内の参加店限定で使える独自商品券「多摩ファンラリー」が9月に始動。市が販売するプレミアム付き商品券「川崎じもと応援券」(1冊1万円)より手軽さを重視し、特典付きで1冊3千円とした。参加店は現状40店ほどで想定を下回るが、コロナ禍で苦しむ商店の集客を取り戻そうという試みとして、期待が寄せられる。

 ▼市内唯一の区民祭の代替企画として、多摩区では予定日だった10月17日に区観光協会が「秋の生田緑地↕多摩川ピクニックラリー」を計画。区内観光資源の2拠点を宣伝塔に、密を避けて周辺一帯の回遊を促す新たな様式に挑む。同会副会長で民家園通り商店会顧問の岩野正行さんは「多くのイベントが中止続きで地域の活気がなくなる中、開催と感染対策の両立を模索してきた」という。コロナの脅威と向き合いながら、イベント開催の手本となる事例を示せるかに注目が集まる。

 ▼市健康安全研究所の岡部信彦所長が「自然現象は理論通りにいかない。一定の注意が必要」と警鐘を鳴らす通り、気を緩めず今まで以上に3密回避や消毒、マスク活用など基本は徹底せねばならない。その上で、行政と市民、事業者は連携を深め、「中止」にとらわれないイベント開催の可能性を議論すべきだ。
 

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