本紙では就任2年目の荻原圭一多摩区長(60)に、恒例の新春インタビューを行った。荻原区長は2021年のテーマに「新」の一文字を掲示。新たな試みとして昨年開催したまち歩き謎解きゲーム「SHIGENARI(シゲナリ)」の成果などを踏まえ、新しい生活様式を取り入れながら区民と創意工夫を重ねる決意を示した。(聞き手/本紙・地主豊)
――まずは2020年の総括をお願いします。
「3月12日、多摩区在住の方で市内初の新型コロナ陽性者が確認されましたが、コロナの影響が大きい一年でした。区役所でも感染防止のため職員が手作りのビニールシートなどで対応する中、地元企業や団体、個人の方々からフェースガードや消毒液をお寄せいただき、本当にうれしかったです。改めて心から感謝申し上げます」
――区内でも多くの行事が中止になりました。
「多摩区で一番大きなイベントの区民祭は6月に中止が決まったほか、新年度に入り各団体の総会なども相次いで中止になりました。政府からは『新しい生活様式』を踏まえた取り組みが示されましたが、総会を書面で行うなど町会等でも工夫して対応していました。これは今までにない新しい動きで、今後につながると実感しています」
感染対策の上イベント実現
――昨年10月は区民祭の開催日に、区観光協会主催の「秋の生田緑地・多摩川ピクニックラリー」を敢行しました。
「観光協会事務局は区地域振興課ですので、地域の方々の声を受け、政府のガイドラインに沿った川崎市の方針に従い、検温やマスク着用など感染対策を徹底して開催しました。区内の観光資源、『点』と『点』をつないで『面』で行われた初のイベントでしたが、私としても昔からやりたいと思っていたので、実現できてよかったです」
――同時企画の謎解きゲーム「SHIGENARI」は、約1カ月間という開催期間でした。
「スマホでQRコードを読み取りクイズに答えるという、コロナに対応した非接触型イベントとして初企画しました。謎解きスポットを10カ所設け、1700人以上に参加いただきました。参加者アンケートでは『知らないお店に入ったり、多摩区を再発見できた』などうれしい声も寄せられました。これからのイベント開催に向けて、参考になると考えています」
――他区に先駆けた取り組みとして、多摩区ソーシャルデザインセンター(SDC)の成果をお聞かせください。
「今年度は川崎市総合計画の第3期実施計画策定を進める年で、重点項目3点の一つに『これからのコミュニティづくりの推進』を掲げています。SDCは相談業務や人材育成、自主イベント開催を担う中間支援組織として昨年スタートしましたが、『こども食堂を始めたい』という相談を受け、実際に5カ所で実現に至りました。空手道場の創業支援として、融資の書類提出をサポートした事例もあります。学生ボランティアの人数が多いのも特徴で、当初の30人から約2倍に増えたと聞いています」
--今年度は区内各施設が節目を迎えます。
「生田緑地が今年で誕生80年になりますが、かわさき宙(そら)と緑の科学館は50年、藤子・F・不二雄ミュージアムは10年で、生田出張所の新庁舎も完成します。多摩区にとって明るい話題がたくさんありますので、みんなでお祝いできる良い年になればと願っています」
――区民に向け、メッセージをお願いします。
「『新しい生活様式』が定着し、それが当たり前になる時代が訪れると考えています。それを踏まえ、引き続き区民の皆様と共に『住み続けたい』と思えるまちづくりを進めていきます」
多摩区・麻生区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>