地域活性化や放置自転車抑制などの課題解決に向け、川崎市が2019年から登戸地区など2エリアで取り組んできた「シェアサイクル実証実験」。市は、今年3月末までを予定していた実験期間を12月末までに延長し、新たに6エリアを加えて継続する。
市が取り組むシェアサイクルは、専用ポート(駐輪場)で自転車を借り、別のポートで自由に返却できるサービス。電動アシスト付きで、スマートフォンで決済できる。これまでは登戸・向ヶ丘遊園駅周辺と、殿町・大師河原(川崎区)で実施。昨年は最大で月間2363人が利用した。
新たに追加されるのは川崎駅周辺、新川崎・鹿島田駅周辺、武蔵小杉駅周辺、武蔵溝ノ口駅周辺、鷺沼・宮前平駅周辺、新百合ヶ丘駅周辺。4月初旬に全エリアで設置完了を予定している。
導入にさまざまな声
利用者に対するアンケート調査では、回答者の6割が「利用サービスに満足」、9割以上が「今後も利用してみたい」と回答。一方で、「より使いやすい場所へのサイクルポートの充実」などの要望があったという。
中原区で放置自転車対策に取り組む、自転車と共生するまちづくり委員会の川連昌久委員長は「駐輪場の場所を駅周辺に取れるのか気になるが、需要は幅広い世代にあると思う。放置自転車の減少に期待」と語る。宮前区全町内・自治会連合会の持田和夫会長は「坂が多い地域では電動アシスト付きでも体力的に厳しい。駅周辺は駐輪場も少なく置ける場所が無いので、利用者は増えづらそう」と話す。
これらの意見を受けて市の担当者は「課題もあるがシェアサイクルは移動手段が増え、健康にも良い。一度乗ってもらい、利便性を知ってもらえたら」と呼びかける。
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