聴覚障害や発話に困難がある人と、健聴者との電話を通訳オペレーターがつなぐ「電話リレーサービス」。総務省が公共インフラとして整備し、7月1日に利用を開始した。横浜市を拠点とするNPO法人インフォメーションギャップバスター理事長の伊藤芳浩さん(登戸在住)は、同サービスの実現に向け啓発活動を続けてきた。
パソコンやスマートフォンを通じて手話やチャットで会話できる電話リレー。これまで民間サービスはあったが、24時間対応でないために緊急通報ができない等の課題も。今回、日本財団電話リレーサービスが提供機関となり、365日24時間利用できるようになった。
総務省によると、以前からサービスへの要望はあったというが、議論を加速させる要因の一つとなったのが同NPOによる署名活動。自身も生まれつき聴覚障害のある伊藤さんら有志による団体で、2014年から啓発と署名活動を実施。17年に「24時間365日対応の公的サービス化」を求め、総務省に8096筆の署名を提出した。
背景には、伊藤さんが電話を掛ける際、友人らに毎回頼まなければならず、人間関係が壊れてしまった体験がある。「公のサービスがあれば」と思いを募らせていたころ、民間企業の代理電話サービスや日本財団のモデル事業が始まり、改めて必要性を実感。署名活動のほか、企業や当事者向けの講演会も開いてきた。「当事者や代理で電話をかけていた家族からの賛同の声や協力も励みになった」と振り返る。
公的サービス開始に際し、伊藤さんは「電話が誕生してから150年もの年月が経ち、ようやく電話できない不便さや制限が解消される」と喜ぶ。一方、金融機関などの本人確認が難しかったり、サービスが認知されていないことで怪しまれる可能性も。「多少のタイムラグがあるかもしれないが、かかってきても慌てず普通に対応してほしい」と話している。
サービス利用は要登録。詳細はサイト(【URL】https://nftrs.or.jp/)。
<PR>
多摩区・麻生区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>