特定非営利活動法人WE21ジャパンたまの代表を務める 鈴木 久子さん 生田在住 71歳
縁ある地、支援つなぐ
○…神奈川県を中心に環境や貧困、人権などの課題解決に向き合う「WE21ジャパン」。その多摩区の拠点として、中野島で運営するリユース・リサイクル店「WEショップたま」が今月、20周年を迎えた。地域から寄付された衣類等を販売し、収益を国内外の支援に生かす。「資源の循環を意識して来てくれる方を増やせたら」と、節目に思いを新たにする。
○…昔からアジアに興味があり、大学で中国語を学ぶと関連の仕事に就いた。転機は1999年。カンボジアに行く機会を得て、現地で半年間生活した。「まだ武器を持っていて物騒だったけど、見るもの聞くもの印象深くて」。帰国後も関わりたいと考えていたころ、WEショップの1号店開店を新聞で知った。友人に声をかけ、中心メンバー7人で「たま」を発足。「珍しさもあり、地域の皆さんがいろんな寄付品をくださった。皆で集える楽しさがあった」。輪が広がり、多いときは20人以上、今も15人ほどが運営に携わる。
○…結婚を機に20代から生田に住む。店舗へは約30分歩いて向かうのが常だ。出身は宮城県で「震災はとてもショックだった」とも。この10年は海外支援に加えて、福島県の農業支援や避難者の生活支援、原発や憲法にまつわる勉強会にも注力した。「福島からすごく励まされたという声もあった。多摩区でも、地域のつながりができた」
○…20年の支援先は15カ所ほど。当初からカンボジアへの支援が続く一方、10年支えたフィリピンの自活プロジェクトが成功し、初めて手を離れたことも感慨深い。今、ウェブで何でも買える時代に、支援の拠点となる店舗を構える意味を考える。「対面で地域の人が交流できる場所。続ける意味がある」。ここから地域を、世界を思う。
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11月22日