パラリンピック種目「ボッチャ」を通じて地域間交流を深めようと、多摩老人福祉センター(中野島)は1月12日、麻生老人福祉センターとの対抗戦を開催。多摩区、麻生区の利用者3人1組で4チームずつ、総勢24人が出場した。区を越えた両施設の合同企画は初で、1年以上の構想期間を経て実現した。
ヨーロッパ発祥のボッチャは、脳性まひなど運動能力に障害がある競技者向けに考案されたスポーツ。ジャックボールと呼ばれる白い目標球に赤・青のボールをチームごとに投げ、目標球までの近さで得点を競う。投げ方は自由で、年齢や性別を問わず室内で楽しめるスポーツとして、市が推進に力を入れている。
12日は、全チームが相手区の4チームと対戦し、区別に順位を決定。1位から3位まで同士が再戦した。1位同士の決勝は1点を争う接戦に。3エンドの結果、3-1で多摩区のチームが優勝した。優勝チームの藤野泰尚さん(82)、石川明子さん(80)、伊藤るつ子さん(71)は「練習回数も少ない中、3人で支え合ってチームワークで優勝できた。うまく投げられたときの快感がたまらない」と喜びをかみしめた。準優勝した麻生区チームの神津従道さん(78)、佐久間トシ子さん(74)、楢本美代子さん(73)は「練習でうまくいかず自信がなかったけれど、みんなのプレーを見ているうちにできるようになってきた」と成長を振り返った。
2施設で力合わせ
今大会の企画を担当したのは、多摩老人福祉センターの伊東知之さんと麻生老人福祉センターの佐藤今日子さんだ。多摩老センでは一昨年12月のボッチャ体験イベントを経て、区対抗の大会を発案。麻生老センに協力を呼びかけて実現した。会場内は手作りの装飾で彩り、音楽をかけるなど演出にも工夫を凝らした。伊東さんは「コロナ下で、日常にはない、皆さんの思い出に残る場づくりを目指して何とかやってきた。これからの生きがいにつながればうれしい」と思いを込めた。
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