地球をとりまく気候変動対策の緊急性を知らせる、通称「気候時計」(クライメートクロック)。カリタス女子中学高等学校(中野島)では、中3の村松実咲さん、島田まりかさん、須崎優未子さんが作った気候時計が生徒玄関に置かれ、環境問題への警鐘を鳴らしている。
気候変動の悪化による異常気象や災害など、後戻りできない段階に達するとされる1・5度の気温上昇を防ぐために、残された時間をカウントダウンする気候時計。米ニューヨークで2020年、世界で最初の気候時計が設置された。人間に課せられた「いつまでに何をすべきか」という使命を示す時計で、地球規模の気候変動解決の運動として広まりつつある。
昨年6月、環境活動家で大学生の露木志奈さんがカリタス女子中学高等学校に招かれ、中3と高1の生徒らを対象に講演。クライメートクロックの話を聞いた村松さんと島田さん、須崎さんは「気候変動で地球が限界を迎えるデッドラインまで、あと7年と154日という値に衝撃を受けた。何かしなければと思った」と振り返る。
米担当者に取材
中3の学習テーマがSDGs(持続可能な開発目標)だったこともあり、3人は週1コマの探究授業「i-Time(アイタイム)」で気候変動に関する研究を始めた。7月には、発祥の地であるアメリカのクライメートクロックグループにメールで取材を申し込み、現地担当者と英語でオンライン対話。気候時計は高価な上に在庫がないことを知り、製作を決意。木材と市販の時計を使って作り上げた。
「気候時計を学校に置きたい」と3人は昨秋、萩原千加子校長に提案。生徒のスピーチの場が設けられた「朝の会」でのプレゼンテーションを経て、10月から設置している。以降、3人はカリタス小の6年生と校外の小中高生を対象に、気候変動に関するワークショップをオンラインで1回ずつ開催。12月には校内の教員向けにアンケート調査も行った。3人の活動は、実質のデッドラインとされる0・5度にちなみ「アクション0・5」と称し、継続している。
「生徒が中心で行動し、先輩から後輩へ活動がつながっていることがうれしい」と萩原校長。3人は「気候変動の堅いイメージを取り払い、楽しく身近な問題として学べるよう工夫していきたい」と思いを語った。
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