川崎市は児童の遊び場を確保するため、市立小学校で放課後や休日の「校庭開放」を進める。今年度は各区1校のモデル校を設置。児童の意見を反映してガイドラインを作成し、来年度以降に市内全114校での実施を目指す。
都市化が進む市内において、公園で禁止されることが多いボール遊びの場などを確保するための取り組み。「みんなの校庭プロジェクト」と題して校庭開放を推進する。
市は5月末までにモデル校を選定し、遊び内容や曜日・時間帯など、児童の意見を反映させたルールで試験的に校庭開放を実施。今年度中にモデル校の児童にアンケートを行い、市の指針を作成する。来年度以降に、市内すべての小学校での実施を目指したい考えだ。事業を推進する市教育委員会の担当者は「学校ごとの状況に合わせて柔軟にルールを作っていく。市としてのガイドラインを示すことで、持続可能な取り組みにしたい」と展望を話す。
理解に課題も
全小学校での開放に向けて課題となるのが、周辺住民の理解や教員の事務負担だ。これまで市立114小学校のうち、87校が校庭開放を経験。子どもたちの声など騒音を理由とする反対意見により、校庭開放を行っていない学校もある。「働き方改革」が叫ばれる中、これ以上の事務負担は避けたいという現場の声も聞かれる。
校庭開放を続ける平小(宮前区)では、6時間授業後の1時間、高学年を対象に学校管理下で実施。休日は少年野球チームなど地元団体が利用する。担当教諭は「教員が見守れるときだけ開放している。子どもたちは昼休みに禁止されているボール遊びができると喜んでいる」と話す。
同プロジェクトのきっかけとなったのは、古川小(幸区)で昨年12月に行われた校庭開放イベント。当日は300人を超える児童が参加した。関係者は「一番身近な地域資源を活用した好例ではないか。子どもたちの『やりたい』の実現に向け、多くの小学校に広がってほしい」と期待を寄せている。
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