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公開日:2022.06.03

川崎市立校
校長ら再任用 最長5年に
若手教員の育成見据え

 川崎市立小中高校の校長と副校長、教頭の再任用について、最長3年だった任期が今年度から5年に延長された。国の方針で来年4月から、公務員の定年が段階的に延長されるのを前にした取り組み。市は、校長らの知識や経験を若手教員の育成等に反映させたい考えだ。

3人が4年目

 川崎市は、定年から年金の受け取りが可能となる65歳までの教師の生活を支えることを目的として、教職員の再任用制度を2001年度に導入。14年度からは対象を管理職にも拡大した。任期は条例で定められ、1年ごとに更新。再任用の可否は、勤務実績や健康状態などで選考する。

 今回の校長らの任期延長は、地方公務員の定年を65歳まで引き上げる法律が施行されることを受けた措置。定年は23年度から2年に1歳ずつ延長される。市は今年度、60歳以上の校長35人と教頭2人を再任用。うち3人が4年目を更新した。

 校長に求められる役割は、教育課程編成や危機管理、人材育成など多岐にわたる。ベテランの校長が教育現場にとどまることについて、校長経験者の一人は「学校運営や地域対応のノウハウを、時には失敗などの経験談を通して後輩教員たちに伝えることができる」と意義を語る。

組織機能に課題も

 市教育委員会が3月末に公表した教員の働き方改革の資料によると、21年度は在職年数10年以下の教員が半数を占め、経験の浅い教員に対しては授業力や学級経営力の育成のため、研修の充実を図る必要があると指摘。市教委は、再任用が2年延長されることで、若手教員の教育の質のさらなる向上につながることに期待する。

 一方、別の校長経験者は「定年延長により、管理職のポストに空きが出にくくなるのでは」と懸念する。上位ポストを目指す後進の育成のために、組織をどう機能させていくかが今後の課題との見方を示す。

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