沖縄本土復帰から50年。沖縄の伝統的な弦楽器「三線(さんしん)」を作る人が多摩区にいる。生田2丁目で前之浜三線工房を営む前浜政次さん(71)だ。「心を癒す音色を絶やさないよう、次代につなぎたい」と力を込める。
前浜さんは沖縄県・与那国島出身。ラジオから日常的に三線の音が流れ、幼い頃から自然と耳になじんでいた。石垣島の高校に進学し、親戚の家に下宿。家宝として置いてあった三線を自己流でよく弾いていた。
卒業後、電話工事の仕事をするため本土へ。日本復帰前で、渡航にはパスポートが必要だった。各家庭に電話が普及した時期だったこともあり、全国各地で働いた。1975年、川崎市内の電気会社に転職。30歳で独立、経営に尽力した。
川崎に来てから市内の三線教室に通い始めた。「マイ三線を作りたい」と思いを強め、材料を集めながら、独学で作り方を学んだ。2005年、高度な技術習得のため職人に弟子入りし、教えを請うた。翌年には工房を立ち上げ、販売を開始。独自に身に付けたスキルと師匠のノウハウを組み合わせ、卓越した技へと引き上げた。
顧客の要望に合わせてオーダーメイドでの製作。さおの加工は、コンパスや角度計を用いてミリ単位の精度で調整している。製作のための機械も自作するなど、創意工夫を重ねる。「伝統の型を守りつつ、演奏者の好みに合わせていく」と前浜さんはこだわる。
長女に技、継いで
コロナ禍で演奏の場が減り、音色に触れる機会も少なくなってる。前浜さんによると、沖縄の知り合いで店を閉じた人も多いという。そんな状況でも「作った三線のメンテナンスも必要。川崎でお客さんの要望に応え続けたい」と前を向く。昨年からは長女の五味川千鶴さん(47)に作り方を伝える。「後継ぎとして活躍してもらいたい」と期待を寄せる。
前浜さんの願いは伝統を次代へ継承すること。希望者には、積極的に製作の技術指導をしているほか、工房で演奏も教えている。「誰にでも、惜しみなく伝えていきたい。三線を作る、弾く楽しさを広める。それが使命だと思うから」
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