多摩区内5カ所のバス停留所にこのほど、新たなベンチが設置された。川崎市の試行的な補助金事業によるもので、区内4自治会の申請で実現。今後は各自治会が維持管理を担い、継続に向けて課題を検証していく。
ベンチが設置された区内の停留所は、小田急バス「生田大橋」の両側2カ所と「馬場二丁目」「明大入口」、市バス「生田緑地入口」の片側1カ所ずつ。それぞれ地元の五反田自治会と菅町会、根岸町会、飯室谷町会が補助金を申請した。
川崎市ではこれまで、市バスの停留所は歩道幅等の条件が合えばベンチを設置してきたが、民間バス会社の停留所では設置が進んでいない状況があった。市は地域と連携した設置の可能性を探ろうと、全額補助による同事業を試行的に企画。申請した町内会・自治会が維持管理することを条件に募集し、市内で11団体から申し込みがあった。
国産木材を活用
木材の利用促進を通じた地球温暖化防止を図るため、今回のベンチは全て国産木材を使用。「生田大橋」では2月27日、小田原市森林組合が同市産のヒノキを使った一枚板の3人掛けベンチを設置した。申請した五反田自治会の井上紀代会長は「坂道で高齢の住民も多い。バスを利用しない人でもひと休みする場所になれば」と期待。バス停の前に住み、設置を快諾した林隆三さんは「喜ばしいこと。屋根や明かりが付いたらさらに良い」と語った。
菅町会では坂の途中に位置する複数の停留所のうち、歩道幅3メートル以上等の条件にあった「馬場二丁目」の読売ランド前駅方面で申請。3月9日、箱根町産のヒノキを使った背もたれ付きのベンチが設置された。同町会の濃沼健夫会長は「山坂が多く、『休憩する場所がほしい』という声が以前からあった。市の補助で提供してもらえるのは助かる」と話していた。
市は各団体へアンケートを取り、来年度にかけて維持管理の課題を検証。補助制度の内容を検討し、2024年度からの本格運用を目指す。
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