福祉の魅力を伝え、介護人材の確保につなげようと、第1回「介護福祉事業フェス」が6月14日、多摩市民館で開催された。川崎市内や東京都などからデイサービスや有料老人ホームなどの15事業所が業態を問わず一堂に会した。発起人の(株)らいふの城所佑佳里さんは「介護業界の人たちが集まり、魅力を伝え、人材不足の解決を一緒に目指したい」と思いを話す。
主催したのは、介護付き有料老人ホームなどを運営する(株)らいふ。介護福祉士で、県内や東京都のエリアマネージャーを務める城所さんは、 今年1月ごろから自社の介護人材の不足に課題を抱えていた。解決策を模索するなかで、「他社も悩んでおり、介護業界の共通課題でもあるので、一丸となり、解決を目指せないか」と考え、介護福祉事業フェスを企画することを決意。4月ごろからインスタグラムのダイレクトメッセージで、企画趣旨を他社に伝えていったという。
賛同した15事業所に加え、会場では、ハンドメイドのアクセサリーや焼き菓子、花の販売などもされた。城所さんは「介護だけだと、来場するのが気が重たいかもしれない。気軽に来られる場になればと、地域で活動している人にも声をかけ、さまざまな販売も一緒にできるようにした」と意図を話す。チラシやインスタグラムなどで告知を4月ごろから始め、約80人が訪れた。各ブースで福祉の魅力を来場者に伝える姿が見られた。
特別講話会も
また、午後1時からは「特別講話会」を実施。同社の松村愛さん、海老名市で通所介護事業所Akalaの介護長を務める菅原航平さん、介護業界で働きたい外国人の支援を行う(株)Sakulaの干泥信隆代表取締役の3人が約10分間ずつ、講話を行った。菅原さんは「利用者に寄り添いながら、自分の個性を発揮して、生かしていける仕事。高齢者を支えるので、感謝を多くされる」と仕事の魅力を語った。
干泥さんは、今後の日本の労働力人口の減少にふれ、人材確保のために外国人介護士が一つの選択肢でもあり、大きな可能性があることを伝えた。「介護に対して、モチベーションの高い外国人も多い。人材不足に対して、外国人の活躍を支援していきたい」と干泥さんは思いを語った。
気軽に参加できる場
市内を中心にデイサービスや訪問介護を行う医療法人啓和会の小林優太さんは、介護職と並行して求人担当を長年務めてきた。「採用に力を入れているが、現状、介護士の不足は深刻だと感じている」と率直な思いを明かす。今まで合同採用説明会に参加したことはあるが、今回のように、菓子なども販売する気軽なフェス形式のイベントは初めてだという。「さまざまな福祉の魅力や業界の雰囲気を感じてもらえる、良い機会になった」と振り返った。
フェス終了後、城所さんは「集客に苦戦した」と課題を挙げる一方で「参加した事業者同士、横のつながりもできた。同じ人材不足という課題に対して、手を取り合い、協力をしながら前に進んでいきたい」と今後の展望を語った。
今後、第2回を東京都の練馬区で10月に 開催する予定だという。
情報は「介護福祉事業フェス」のインスタグラムで発信している。
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