学校法人丸山学園認定こども園丸山幼稚園(登戸)の伊藤夏夫園長(68)がこのほど、県の最高表彰のひとつ「神奈川県県民功労者表彰」を受賞した。
社会福祉、保健衛生、産業・経済、教育・文化、生活環境など各分野で長年にわたり、活躍し優れた業績をあげた人を顕彰する同表彰。今回で76回目を数える伝統ある表彰制度だ。
多摩区では唯一
令和5年度は分野別に、社会福祉13人、保健衛生12人、産業・経済9人、教育・文化4人、生活環境3人と合計41人が受賞した。多摩区内では、伊藤園長が唯一の受賞となった。
教育・文化の分野で長年の間、私学教育に携わり、同園の園長として、豊かな織見と卓越した指導力のもと、同園の運営と教育内容の充実に優れた成果をあげるなど、私学教育の振興に尽力してきたことが評価された。
同園は1949年、伊藤園長の父親が設立した。伊藤園長は祖父が日本画を描く姿を見て、子ども時代から芸術に興味を持った。
高校時代は、演劇を鑑賞することや音楽コンサートに足を運ぶことに明け暮れた。「レコードは300枚くらい持っていたよ」と当時を懐かしそうに振り返った。
日本大学芸術学部演劇学科に進学。舞踊やダンスを中心に学びを深めた。卒業後は会社員になろうと思っていたが、2代目の園長の叔父から「舞踊やダンスを専門的に学んできたのなら、幼稚園で教えてくれないか」と声を掛けられた。最初は戸惑ったが、勤務することを決めた。「先生たちに踊りを教えて、園児も楽しそうで」と伊藤園長。勤務しながら、大学にも通い、幼稚園教諭の免許を取得した。
29歳の若さで川崎市幼稚園協会の理事となり、58歳まで務めた。52歳からの6年間は同協会の会長として尽力。主に、共働き世帯が増加することに対応するため、幼稚園の「預かり保育」を推し進め、長時間保育にも対応できる幼稚園を増やすことに力を入れた。共働き世帯のニーズを捉え、給食制度の普及などにも取り組んだという。
人間関係の充実に注力
1998年に4代目園長に着任以来、幼児教育で力を入れるのは「人間関係」の充実。「友人をたくさん作る。他者から多くのことを学ぶことで社会性も育まれる」と話す。表彰に対しては「本当に驚いている。地道に歩んできた。ただただ、市幼稚園協会、地域、幼稚園で一生懸命やってきた。それが評価されたのは純粋にうれしいし、ありがたいこと」と笑顔を見せた。
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