女性消防士らが集う全国組織「JFFW」(女性消防職員有志の会)の幹事を務める、中原消防署長の熊谷智子さん(58)が、同会で自費出版した絵本を、川崎市幼稚園協会の84園に贈呈した。
絵本のタイトルは「わたし、しょうぼうしになりたいの」。消防士を夢見る女の子の気持ちを、周囲が素直に受け入れていくストーリー。7月11日に中原区内で行われた同協会園長会に出席した熊谷さんは、消防士の女性比率が全国で3・4%(約5400人)にとどまる現状について言及。「消防士は男の子という風習がある。幼稚園の先生になりたい子がいるのと同じく、消防士を夢見る子が性別問わず増えてくれるよう、読み聞かせをしていただけたら」と期待を込めた。
同協会の鈴木伸司会長は「消防士をはじめ園児の夢が叶えられるように、各園で絵本を活用していきたい」と話した。
川崎市は5・26%
消防庁は女性消防士比率を2026年度までに5%にする目標を掲げる。都心は高い傾向にあり、川崎市消防局は5・26%(22年度)だが、警察官10・9%、自衛官8・3%と比べ低水準だ。熊谷さんは「火を消すだけが仕事ではない。女性が増えれば活動の幅も広がる」と話している。
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