米国イリノイ州で7月末に行われた中学生年代の硬式野球大会「MCYSA全米選手権大会」に、日本代表として選ばれた菅中学校3年の田中孝太郎さん=菅在住=が出場し、チームの8連覇に貢献した。
大会は米国の各州代表のほかブラジルなど南米のチームが参加して行われた。コロナ禍の影響により開催のなかった年を挟んで、日本は7連覇していた。
調布リトルシニアに所属し、チームでは投手・捕手・内外野と複数のポジションをこなす田中さんは、春に茨城県で行われた代表選考会で関係者の目にとまり、18人の日本代表メンバーに選ばれた。「代表には上手な子が集まっているので、もし自分が試合に少しでも出られれば全力でプレーし、出場できなくても裏方で人一倍頑張ろう」と今大会に臨んだ。
大会では日本が予選リーグを3戦全勝で突破。決勝トーナメントではイリノイ州のチームに10対1、ウィスコンシン州のチームに11対3と快勝した。準決勝では、予選で辛勝したチームと再び対戦。それまで当たりのなかった選手が勝利を呼び込むホームランを放つと仲間がベンチから飛び出し本塁で出迎える場面もあり、「一番盛り上がった」と田中さんは振り返る。5回コールドで優勝を決めた決勝は相手に敬意を表してすぐに整列し引き上げてから喜びを分かち合ったという。
大会を通じ田中さんは投手と三塁手、左翼手を兼任。複数の試合で中継ぎを務め、1失点を許すのみの安定した投球を見せた。決勝のマウンドは「めちゃくちゃ緊張した」と話すも、1イニングを3人で抑えて優勝に貢献した。打席に立つ回数は少なかったがそつなく四球を選び出塁した。
「素直な性格」
父親の崇之さんの影響で幼い頃から野球に親しんできた田中さん。菅小3年の時に地元軟式チームの菅ウィングス(当時)に入部し、水泳や総合格闘技と並行して野球を続けた。硬式に興味があったことに加え、練習量をより増やしたいとクラブチームの稲城リトルに移り、中学に入って調布リトルで腕を磨く。
身長168cm、体重73kg。右投げ右打ちで「肩の強さと打率、出塁率の高さ」が持ち味だ。「ホームランバッターではないけれど外野の頭を越す打撃が得意」と話す。調布リトルで田中さんを指導する安羅岡一樹監督(60)は、「チームの4番。右方向に強い打球を打てるのが魅力。素直な性格で応援したくなる、これからも期待できる選手」と評価する。プロ選手の動画を見て学ぶことも多いが、最も意識するのは「全力でプレーしているかどうか」だという。高校で野球を続ける意思を固めており、「持ち味を生かしていきたい。どんな状況でもチームを盛り上げられる選手でありたい」と力強く抱負を語った。
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