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多摩区版 公開:2023年9月1日 エリアトップへ

奇妙、恐怖、裏川崎知る一冊 黒さん、ご当地怪談本執筆

文化

公開:2023年9月1日

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『川崎怪談』を持つ黒史郎さん
『川崎怪談』を持つ黒史郎さん

 暑い夏を怪談話で涼しく--。

 川崎市の各所にある怖い話を集めたご当地怪談をご存じだろうか。『川崎怪談』(竹書房)は昨年11月に発行され、担当者によると売れ行きも好調だという。作者の黒史郎さん(48)は、川崎市に関する資料や文献を集め、実話に基づく怪談を執筆。「少し怖いけど川崎を好きになってもらえれば」と話している。

 全国のご当地怪談集を出版する竹書房。担当者は同書の魅力を「自分の住む町の再発見」と評価する。怖さだけでなく、慣れ親しんだ土地の歴史を紐解くことでスリルや冒険が味わえるという。

 黒史郎さんは、2006年に『夜は一緒に散歩しよ』で第1回「幽」怪談文学賞の長編部門大賞を受賞。以来、怪談をモチーフにした作品を手がけている。初めてのご当地怪談を執筆するに当たっては、依頼を受けてから資料集めに奔走。市の歴史資料から地域住民が執筆した小冊子まで約200点を収集。徹底取材した。

 最初にコンセプトにしたのは「川崎の裏のガイドブック」。横浜市鶴見区で生まれ育った黒さんは、子どもの頃は毎日のように川崎で遊び、今でも買い物や映画鑑賞など多くの時間を過ごす。「私が知っている表の川崎ではない、裏の川崎といえるような、とりわけ知られていない古い記録を見つけて集めた」

執筆中にゾッと

 作品の中でも印象的なのは、現在の川崎競馬場の場所にあった紡績工場での奇妙な話。工場敷地内にある池のほとりに一本の松が生えており「おいでおいで松」と呼ばれ怖がられていた。池にひとりで魚を獲りに行くと、この松に「おいで、おいで」と招き寄せられ、夢遊病のように池にはまり死ぬのだという。

 当時の記事を調べる中で、たまたま紡績工場の社員募集の記事を見つけ黒さんは「ゾッとした」。女性従業員を募集する内容の記事の見出しには「娘さんおいで」と書かれていた。

多摩区も舞台に

 『川崎怪談』は市内の怪談54話を収録。川崎市出身の作家・平山夢明さんの特別寄稿もある。

 また、中には多摩区が舞台となっている怪談も。堰と久地の間に流れるオイリと呼ばれる川での出来事「ポチャン」、東三田にある怪しげな名を持つ坂の話「取られる坂」、旧日本陸軍登戸研究所にまつわる「幽霊は今も黙し続けるか」、府中街道を無人で走る「い号」、土渕の丘にあった「祟りがある森」など、全7話が盛り込まれている。

 文庫本、223頁、定価は748円。幸区新塚越の北野書店をはじめ、書店やネット書店、電子書籍で販売。

収集した資料の一部
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