神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
多摩区版 公開:2023年10月13日 エリアトップへ

のらぼうプロジェクト 名人の志、紙芝居で後世へ 制作費をCF 11月末まで 

社会

公開:2023年10月13日

  • X
  • LINE
  • hatena
左から清水さん、紙芝居を持つ寛子さん、望月さん。高橋さんが生前、古農具などを展示するため自宅敷地内に設営した「菅郷土資料館」の前で=10月4日
左から清水さん、紙芝居を持つ寛子さん、望月さん。高橋さんが生前、古農具などを展示するため自宅敷地内に設営した「菅郷土資料館」の前で=10月4日

 川崎の伝統野菜「のらぼう菜」を菅地区で作り続け、2020年に亡くなった高橋孝次さんの思いを、「紙芝居」で後世に伝えたいと、クラウドファンディング(ウェブ上の募金活動、以下CF)で制作資金などを募るプロジェクトが行われている。

 菅地区で古くから栽培されているのらぼう菜は、アブラナ科の野菜で栄養価が高く甘みがあるのが特徴。収穫が3月初旬に始まることから「川崎に春を呼ぶ野菜」と呼ばれ、親しまれてきた。

 高橋さんは菅野戸呂の農家に生まれ、17歳で就農。生産だけでなく次代への継承を目的に地域の小学校を訪れ、「野菜名人」として40年にわたり出前授業を行うなど、88歳で亡くなるまで、のらぼう菜を愛し、普及に努めてきた。15年に県内で2人目の「地域特産物マイスター」に認定。20年9月には、のらぼう菜の歴史や栽培方法を記した書籍を刊行した。

 今回のCFは、のらぼう菜の普及・継承を目指す市民団体「かわさきのらぼうプロジェクト」が実施。メンバーの清水まゆみさんは、食と農に関する活動をする中でのらぼう菜を知り、高橋さんに出会うと、その人柄とのらぼう菜への熱い思いに心を打たれ、学校での出前授業に何度も同行。高橋さんが子どもたちや教員と接する姿を、写真や音声で残してきた。

 20年12月に高橋さんが死去した後は、遺志を受け継いだ妻の寛子さん(86)らにより、のらぼう菜の栽培は続けられている。そんな中、複数の学校から寛子さんのもとに「高橋さんののらぼう菜を育てたい」と苗の提供を望む声があることを知った清水さんは、「高橋さんの授業を紙芝居に残せないか。栽培方法や思いを後世につなぎたい」と模索。「紙しばいや もっちぃ」として、市内を中心にオリジナルの紙芝居を読み聞かせる活動を行っている望月晶子さんに協力を打診した。

 書籍や音声を見聞きし高橋さんの人柄に感銘を受けた望月さんは清水さんに共鳴。2年をかけて構成を練り、試作を繰り返し、このほど望月さんが水彩で描いた16枚の紙芝居「かわさき菅ではぐくむのらぼう〜高橋孝次〜」が完成した。10月4日、完成品を寛子さんらに披露。寛子さんは「良い物を作ってくれて感謝している」と述べた。

 紙芝居は50部を印刷し、のらぼう菜を栽培する小学校や市立図書館などに寄贈する予定。印刷や梱包などにかかる経費を11月30日(木)までCFで募っている。詳細は地域限定CFサイト「かわファン」内、「紙芝居で伝えたい!のらぼう菜のこと」を参照。問い合わせは清水さん【携帯電話】080・5682・1706。

多摩区・麻生区版のトップニュース最新6

駅伝 県4位で関東へ

白鳥中 中野島中

駅伝 県4位で関東へ

練習に励み、健闘誓う

11月29日

市「正確な情報確認を」

マイナ保険証

市「正確な情報確認を」

12月2日から本格移行

11月29日

多摩区に子育て総合拠点

川崎市

多摩区に子育て総合拠点

25日開所 市内4カ所目

11月22日

インフルエンザが流行期

インフルエンザが流行期

麻生区、川崎区で急増

11月22日

わんわんパトロール始動

多摩区

わんわんパトロール始動

愛犬と共に地域見守り

11月15日

市議と若者が意見交換

川崎市

市議と若者が意見交換

「政治参加意識」醸成狙い

11月15日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 11月29日0:00更新

  • 11月15日0:00更新

  • 11月8日0:00更新

多摩区・麻生区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

多摩区・麻生区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月29日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook