犯罪や非行をした人に対し面談などを通じて社会復帰や再犯防止に努めてきた。多摩区保護司会では会長職も歴任。このほど、保護観察対象者の更生支援と犯罪予防への献身、更生保護思想の普及に優れた成果をあげるなどの社会福祉向上への尽力を称えられ表彰を受けた。「地域の皆さんのご指導のおかげ。一人でもらったわけではない」
25年前、保護司の知人に誘われたが初めは「自分にそんな資格はない」とためらった。だが「自分にできることで地域のためになるならば」と考えを改め、任を受けた。
すりや交通違反など、これまで50人余りの更生に携わった。薬物中毒だった18歳の少女を保護観察していた時のこと。ある夜、「親とけんかをして警察が来た」と電話があった。慌てて駆けつけると少女は勢いよく階段を降り、抱きついてきた。肩を叩いて慰めた。「そんな子が結婚してお母さんになって、地域のおまつりで声をかけてくれてね」と相好を崩す。
保護観察対象者の抱える課題は複雑多様化し、最近では保護司が犯罪の犠牲になる事件も発生した。「他の機関とも連携し、更生の方法を模索していくことも必要ではないか」と考えを述べる。
保護司の定年まであと2年。「生まれ育った地域への恩返しの気持ちで続けていきたい」
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