意見広告・議会報告
連載114 市民の財産、未利用公共施設を有効活用し、地域課題の解決を目指す みらい川崎市議会議員団 こば りか子
時すでに遅し!
長年、私が取上げてきた課題のひとつに、麻生区栗木台にある旧麻生営業所分室跡地があります。この建物は、平成3年10月に麻生区内の宅地内給水管漏水修理等に携わる職員の事務所として築造され、建設費用は約3億円とのことです。ところが、平成17年度の組織改編に伴い、営業所の工事部門が廃止され、以降19年間空家となっています。3億円もかけて建設されたものが、わずか14年間で廃止になったということで、新たな使途について検討しなかったのか確認したところ「結論に至らなかった」ということです。
敷地面積は約1,500平方メートル、建物は2階部分だけで240平方メートルあり、廃止になった直後から活用を広く検討していれば、まだ築33年ですから、十分有効に活用されていたはずです。ところが、空家になって19年経過してしまったため、最近では軒裏が崩落するなど、ついに、一般民家なら最近話題の「特定空家」に認定されてもおかしくない状況になり果ててしまいました。まさに「時すでに遅し!」です。
当該地の資産価値は令和5年1月1日時点の相続税路線価に基づく評価額で約2億1,800万円だということです。議会では、財政・資産マネジメント・空家問題など様々な視点で問題点を指摘し、これまで市民の財産を無駄に放置してきたことについて副市長に見解を求めたところ、「市有財産の有効活用にあたっては、公有財産、公共用地として、市民共通の貴重な資源、財産であり、行政需要への対応や地域課題等の解決によるまちづくりへの貢献など、多様な観点から進めることが重要と考えている。長年放置され、有効活用に至っていないことは課題であると認識している」との答弁でした。
利用者が選択しやすい情報の提示を
これまで私の元には、活動場所の相談を様々な団体から受けてきましたが、そのことを麻生区に指摘すると「市民の皆様が身近に活動できる場所があることは大変重要」とし「相談を受けた場合には利用可能な市民利用施設や民間の空きスペースなどを紹介している」と答弁されていますが、事例として示された冊子は6年前に作成されたもので、情報の更新がなされていないことが分かりました。刷新に合わせ、区内の活動場所を示すだけでなく「どのような活用が可能か」「広さ」や「防音の有無」等、利用を希望する人が選択しやすい情報の提示をQRコード等を活用して実施するよう求めました。
また、老朽化して使えなくなってしまった旧麻生営業所については、1,500平方メートルという広い土地であることや、高齢者の平均年齢日本一の麻生区においては、今後さらなる需要が見込まれることから、地域の活動拠点を備えた「看護付小規模多機能型居宅介護施設」など、地域の有効活用に資する建物を庁内横断で検討することを求めました。実現されるまで、引続き議会で取上げていきます。
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12月20日