市立学校の教員不足が止まらない。小中高・特別支援学校を合わせた定数6476人に対し131・5人不足している(4月5日現在)。団塊世代の大量退職などが一因で、クラスの児童数を増やしたり、学級担任を代替えしたりして対応している。市教育委員会は今後、担任制からチーム制への取り組みなどを進めたい考え。
2024年度の市の教員不足は小学校で106・5人、中学校7人、特別支援学校13人、高等学校が5人。不足の要因は、必要な教員数が見込みよりも増加した「欠員未充足」が83・5人と最も多く、次いで産・育休中に対する未充足が33人、病気などによる休職者代替不足が15人となっている。
教員不足は全国的な問題になっているが、背景の一つとして大量採用世代が退職期を迎えたことが挙げられる。小学校では産休・育休取得者による不足を補えていないという。教員不足は現場の教員にかかる負担が増え、児童生徒への教育の質の低下という悪影響もはらむ。市教委では対策として、小学校で標準35人を超える36人学級(宮前区3校、幸区1校)を認め、12校では教務主任らが学級担任を兼務して対応している。
こうした状況は市議会でも取り上げられ、教員を取り巻く環境の改善や人材確保策などへの質問があった。市は、今後の方針として、今年度は担任不足が生じている小学校に対し、非常勤講師の配置などによる対策を優先。次年度以降は環境整備に向けた取り組みを進めるとしている。市教委の担当者は「担任制から教員がチームとして児童生徒と関わることができるよう支援していきたい」と話す。
応募倍率も過去最低
市教育委員会が6月4日に発表した24年度実施の市立学校教員採用候補者選考試験の応募状況(速報値)は、応募倍率が小学校が1・7倍、中・高校が2・8倍で、それぞれ前年の2・4倍、4・5倍から減少し過去最低だった。市は人材確保のため、環境改善などを強化する方針だ。
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