神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

麻生総合高校3年1組 性の平等 クラスで議論 文化祭で学びを発表

教育

公開:2024年9月13日

  • X
  • LINE
  • hatena
スカート姿でアンケート協力を呼びかける男子生徒
スカート姿でアンケート協力を呼びかける男子生徒

 県立麻生総合高校(麻生区片平)3年1組の生徒が、性の多様性やジェンダー平等について議論し、9月6日と7日に行われた文化祭でパネル展示や男女で制服を交換する「セクスチェンジ」を行って学びを発表した。生徒は「前より自分事として考えられるようになった」と理解を深めた。

「男子のスカート」契機

「スカートを履いてみたい」。7月、文化祭の企画を決める際に一人の男子生徒から声が挙がった。それを受けて「全員でスカートを履くのはどうか」というアイデアが生まれ、クラスメイトが賛同。「悪いことじゃないし、やりたいことはやろう」「面白そう」と肯定的な意見が飛んだ。一方で、クラスの外からは「来場した人が不快な気分になるかもしれない」「わざわざ学校でやらなくても」といった声も聞かれたという。

 こうした反応を受け、クラスで再度検討。アンケートをとると企画を変えたいという意見は出ず、生徒の7割が賛同、3割が中立の意思を示した。担任の清水健太郎教諭は「せっかく出た声をうやむやにしたくない」と生徒たちの考えを尊重し実施へと動き出した。

互いの立場に気付き

 夏休み明けには「無意識の価値観〜当たり前ってなんだろう〜」とテーマを定め3回の事前学習を行った。「男女の違いやそれぞれの困りごと」「誰もが使いやすいトイレ」「LGBTQ+(性的少数者)への理解」を題材にクラスで議論。生徒は「自分が思う当たり前は当たり前じゃない」「準備はほかのクラスより大変だったかもしれないが将来的に必要な考えだから苦ではなかった」と振り返る。

 当日は学習の成果をパネル展示したほか、男女で制服を交換し性の違いや自分自身について考える「セクスチェンジ」と呼ばれる取り組みを実施。男子生徒は「スカートは中が見えてしまいそうで気を使う」と気付きを語り、女子生徒は「本当はいつもズボンがいい。履いてみてしっくりきたし、自分らしいと感じた」と笑顔を見せた。

自分事に

 加えて、生徒たちは学校案内のパンフレットを例に、色による「性」のイメージなどについて来場者を対象にアンケート調査を実施。今後、その結果をもとに学習を進める予定だ。一連の取り組みを通し、生徒は「人口の約10%はLGBTQ+だと知った。身近にもいるかもしれないなどと、より自分事にして考えられるようになった」と学習の成果を語った。

 清水教諭は「お互いの苦労を知るきっかけにもなったと思う。やりたいことをやって受け入れられればいいし、そういう人を見ても変に気にしないという気持ちをもってほしい」と期待を寄せる。文化祭の統括を担当した教諭は「多様な意見もあったが生徒たちが意図を明確にし、真剣さと目的意識をもって取り組んでくれた」と語った。

多摩区・麻生区版のトップニュース最新6

拓也さん、中学で講演

横田めぐみさんの弟

拓也さん、中学で講演

拉致「自分事として考えて」

12月6日

左官で最高峰の匠に

麻生区在住橋本大輔さん

左官で最高峰の匠に

かわさきマイスター認定

12月6日

駅伝 県4位で関東へ

白鳥中 中野島中

駅伝 県4位で関東へ

練習に励み、健闘誓う

11月29日

市「正確な情報確認を」

マイナ保険証

市「正確な情報確認を」

12月2日から本格移行

11月29日

多摩区に子育て総合拠点

川崎市

多摩区に子育て総合拠点

25日開所 市内4カ所目

11月22日

インフルエンザが流行期

インフルエンザが流行期

麻生区、川崎区で急増

11月22日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 12月6日0:00更新

  • 11月29日0:00更新

  • 11月15日0:00更新

多摩区・麻生区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

多摩区・麻生区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年12月6日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook