マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」への移行に向け、現行の健康保険証の新規発行が12月2日に停止される。国民健康保険証を交付する川崎市では移行に向け、「正確な情報を確認してほしい」と呼びかけている。
12月2日から本格的移行が始まる「マイナ保険証」は、健康保険証の登録をしたマイナンバーカード。医療機関や薬局の顔認証付きカードリーダー、セブン銀行ATMなどで利用登録を済ませば、現行の健康保険証の代わりになる。
情報を一本化
国はマイナンバーカードの利用推進を図る目的で、「マイナ保険証」への切り替え措置に踏み切った。そのメリットとして国が挙げるのは、複数の医療機関に分散する医療情報が一本化されること。一刻を争う救急医療や、的確な薬の処方などに役立つとされる。
医療保険制度は、会社員を対象とする「健康保険」と、企業に所属しない地域住民の「国民健康保険」(国保)、そして75歳以上の全ての人を対象とする「後期高齢者医療制度」に大別される。
このうち、国保の保険証を交付する川崎市によれば、国保加入者約22万5千人(10月末時点)のうち55%の約12万4千人が、マイナ保険証の利用登録を済ませたという。
市の担当者は、「今回の移行は、加入者が何か新たな手続きをしなくてはいけないものではない」と語る。今回の移行措置では、12月1日までに加入手続きを終えた国民健康保険証は最長で来年の7月末まで有効で、これまで同様に使うことができる(健康保険証は1年間有効)。
加えて、マイナ保険証の利用登録をしていない人や、今後も登録をしない人、またそもそもマイナンバーカードを持っていない人やカードの有効期限が切れた人、マイナ保険証の利用登録を「解除」した人などには、「資格確認書」が交付される。こちらは、現行の保険証と同じ機能を持つ事実上の「代替保険証」となるだけに、市の担当者は、「市としてはこの『資格確認書』を、必要な対象者に漏れなく交付することが最も重要」と語る。
一方で、マイナ保険証に利用登録を済ませた人には、「資格情報のお知らせ」が交付される。マイナ保険証に記名されていない保険者番号などの資格情報を記したもので、マイナ保険証と合わせて持ち歩くことを前提としている。市の調べでは、11月時点でマイナ保険証に対応可能な医療機関や薬局は約86%。対応できない機関では、保険適用を受ける上で、この「お知らせ」が必要になる。
市の担当者は「加入する保険者ごとに『資格確認書』も『お知らせ』も扱いが異なる。市内の国保加入者の窓口は基本的に市だが、国保以外は各保険者に確認してほしい」と話している。
国民健康保険と後期高齢者医療制度に関する問い合わせは市保険コールセンター【電話】044・200・0783。
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