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登戸台和町会 「歳の神」26年ぶりに復活 青年部50周年契機に

文化

公開:2025年1月17日

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炎に包まれていくやぐら
炎に包まれていくやぐら

 1999年を最後に中止されていた、登戸台和町会(多摩区/木澤静雄会長)の新年の行事「登戸台和歳(さい)の神」が1月11、12日、同会青年部の有志によって、26年ぶりに行われた。地域住民約150人が訪れ、伝統行事の復活を見届けた。

 歳の神は正月飾りなどをお焚き上げし、一年の無病息災・五穀豊穣を願う新年の行事。昭和初期から同地区で行われていたとされ、「川崎市無形民俗文化財」にも登録されている伝統文化だ。

 1950年頃に中止されたものの、同部の立ち上げに際し、当時の会員が尽力して、76年に一度復活した。しかし、宅地化が急速に進み、開催場所の確保が困難に。99年を最後に、再度中止することを余儀なくされた。

 今年創部50周年を迎えるにあたり、何かできないかと思案した際に挙がったのが、歳の神の再復活。同町会に所属する田中謙次さんが管理する畑を会場に、26年ぶりに開催することになった。

当時の形を再現

 一般的などんど焼きと異なるのが、やぐらの組み方。近隣地区では、竹を三角錐のような形に組むのが主流だが、台和地区では「焙烙(ほうろく)型」と呼ばれる平たい円柱のような形にしているという。

 当時の形を再現するために同部OBが中心となり指導。11日の早朝から、竹やワラなどの材料を組み上げていき、当時の大きさの約半分となる直径3mほどのやぐらを完成させた。50周年記念事業実行委員会の石井和則実行委員長(65)は「畑をやっている人が減り、材料を集めるのが大変だった。皆の協力で形になった」と振り返る。

 お焚き上げ物の受付と合わせ、地域住民による見学も募り、子どもから大人まで多くの人が集まった。石井実行委員長は「台和の伝統的な文化を子どもたちに知ってほしかった。近隣の小学校や保育園にも手厚くアナウンスした甲斐がある」と笑顔を見せる。

 翌12日の朝から点火が行われ、約150人の地域住民が訪れた。かつて運営側として携わっていたという女性は「ワイワイと騒いで本当に楽しかった。あの頃が戻ってきたよう」と感慨深げ。火が付けられるとバンバンと音を立てながら、瞬く間にやぐらは炎に包まれた。同部の佐藤政隆部長(56)は「さまざまな世代、他のエリアから多くの方に来てもらえて何より。ひとまず今回限りの復活だが、相談しつつ今後も考えていければ」と思いを語った。

やぐらの前に集まる青年部のメンバーら
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