大阪府で4月1日に決勝が行われた中学生の硬式野球大会「JA共済杯第31回日本リトルシニア全国選抜野球大会」(一般財団法人日本リトルシニア中学硬式野球協会主催)で、王禅寺中央中学校3年の元木瑛介さん(14)と生田中学校3年の柴田洋雅さん(14)が世田谷西リトルシニアのメンバーとして優勝に貢献した。元木さんは大会最優秀選手賞に輝いた。
リトルシニアは、中学生を対象とした硬式野球チームの組織。同協会のウェブサイトによると昨年4月末現在で全国7地域に連盟があり、558チーム、約2万1000人が所属している。
全国選抜大会は各地域で行われる秋季大会を勝ち抜いた48チームが全国制覇をかけて戦う、夏の日本選手権などと並ぶ大舞台の一つ。関東連盟に所属し、強豪として知られる世田谷西リトルシニアは、3年前に3回目の春優勝を果たしている。今大会では昨夏の日本選手権に続く「夏春連覇」を狙っていた。元木さんは昨春の全国選抜でもBチームのメンバーとして出場したが初戦で敗退。今大会には「自分がみんなを引っ張ろう」と強い気持ちで臨んだ。柴田さんは「昨年先輩が果たせなかった優勝を自分たちの手で」と挑んだ。
世田谷西は初戦で浦和(関東)に7対0と快勝。次の3回戦は豊田(東海)と戦った。「一番チームが盛り上がった場面」と2人が声を揃えて振り返ったのは、2対3でリードを許し、全員で一つになって「逆転しよう」と迎えた6回裏。3番の元木さんがレフト線を破る2塁打でチャンスを作ると、4番の適時打で同点に。さらに後続の選手が2点本塁打を放つとチームのムードは最高潮になり、逆転勝ちで8強へと駒を進めた。
準々決勝では武蔵府中(関東)を9対5、準決勝では堺泉北(関西)を11対4で退け、3年前と同じ顔合わせとなった決勝で奈良西(関西)に7対2で勝利し、栄冠を手にした。準々決勝と決勝で本塁打を放つなどチームを優勝に導く活躍を見せた元木さんは大会の最優秀選手賞も獲得した。
「大会前までは、チームとしては完成していなかった。一試合一試合、レベルを上げていくという思いで、全員の力を出し切って掴んだ優勝」と元木さん。最優秀選手賞に選ばれたことについては「5人のピッチャーが頑張っていたので、まさか自分が、という思い」と微笑んだ。武蔵府中戦に9番二塁手で先発出場した柴田さんは、「バントや右打ちのミスをしてしまった。次の大会ではなくしていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。
親友と切磋琢磨
元木さんは、元巨人軍選手の父・大介さんと、兄の影響で小学1年から本格的に野球を始め、王禅寺少年野球部で6年間白球を追った。右投げ右打ちで「状況に応じたチームバッティング」を得意とする。「大きな当たりより、低く強い打球を意識している」
柴田さんは、3歳上の兄の影響で幼稚園年長の時に野球を始め、都内のチームで研鑽を積んだ。右投げ右打ちで、セールスポイントは「守備」。今大会は出場の機会こそ多くはなかったが、「声を出すことを意識し、いつでも出られるよう準備した」とチームのために役目を果たした。
2人は中学に進学すると共に世田谷西の門を叩いた。住まいが隣接区ということもあり、「親友」と呼び合う仲だ。柴田さんが元木さんのことを「チャンスに強い。元気を出してみんなを引っ張っていて、すごい」と称えると、元木さんは「守備がうまい。みんながエラーしていても柴田はうまくさばく。チームに必要な選手」と相方を評価する。
日本選手権では3年連続優勝とチーム初の春夏連覇を目指す。元木さんは「V3のかかる夏が本番。チームに欠かせない選手になりたい」、柴田さんは「気を緩めず夏も優勝したい。走攻守でミスをなくし、どこでも守れる選手になりたい」と意気込みを語った。
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