59年にわたって川崎駅前の「ランドマーク」として区民に親しまれてきた老舗百貨店「さいか屋川崎店」が先月31日、閉店した。
同店は1956年(昭和31年)にオープン。最盛期の08年頃には200億円以上の売上高があったが、消費の冷え込みやリーマンショックなどの影響により、近年は100億円台に低迷していた。09年には私的整理手法の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決)を申請。建物と不動産を売却し、リースバックしながら営業を続けていたが、建物の賃貸契約が5月31日で満了となることを受けて閉店となった。
最終日は「通常の週末の2倍以上の買い物客」(さいか屋)が訪れ、バーゲン品などを買い求めた。開店当時のさいか屋の建物や同社の入社試験の様子などが撮影された写真パネルが展示された一角では、買い物の足を止めて往年を懐かしむ人の姿が見られた。また、思い出に残そうと店内を撮影する人もいた。
営業終了時には鈴木士文(ひとふみ)店長が店頭に立ち「59年の支援に感謝したい」とあいさつ。シャッターが下りるまで深々と頭を下げた。
同店閉店を受け、福田市長は「約60年の歴史に幕を閉じることは大変残念。跡地利用については具体的な意向が示されていない状況だが、駅前にふさわしい都市機能の集積や都市景観の経営等について誘導を図る」とコメントを出した。
さいか屋は小川町での営業は終了となるが6月3日から川崎日航ホテル3階でサテライト型店舗として継続。中元・歳暮ギフトや学生服を販売するほか、官庁への外商事業を行う。
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