高津区千年の川崎市初の国史跡「橘樹官衙遺跡群」を調査する川崎市教育委員会は9月1日から約2週間かけて、同遺跡群のうち橘樹郡衙跡での第17次調査を行った。同委員会によると、今回の調査で以前に発見した大型建物跡の規模が判明したほか、新たに小型の建物の一部とみられる掘立柱の柱穴が見つかった。
同遺跡群は、川崎の古代地方官衙の成立から廃絶までの流れを知る上で重要な遺跡。今回の調査は、奈良・平安時代の役所とみられる橘樹郡衙跡と隣接する影向寺遺跡の近隣にある農地で実施した。
調査地の南側隣接地では2013年度の第12次調査で大型の建物跡が発見された。同委員会によると、その規模は今回の調査で南北5〜6間(約10m)、東西3間(5mほど)と判明した。これまで同郡衙跡で見つかった中でも大型の建物と考えられ、国の役人らの宿泊施設「館(たち)」や、政務などを行う「郡庁」などの一部である可能性があるという。さらに南北に並ぶ掘立柱の柱穴を新たに発見した。小型の建物とみられ、用途などは今後調査するとしている。
9月12日には調査現場の見学会が開かれ、史跡に関心の高い住民ら約180人が参加した。近隣に住む女性は「こんなに重要な遺跡の近くに住んでいるのが嬉しい」と笑顔で話した。
同委は10月22日から28日まで高津市民館で橘樹郡衙跡などからの出土遺物を展示する。
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