西生田にある杉山神社とその周辺樹林が川崎市の「緑の保全地域」に指定された。枡形にある天神社鎮守の森や菅仙石にある菅小谷に続き、多摩区で4カ所目となる。
同神社の社寺林として一体となった樹林地約0・7ヘクタールが、地域の貴重な自然的環境資源と認められた。今回の指定により市内で「緑の保全地域」に指定されたのは34カ所、合計約31・2ヘクタールとなった。
緑の保全地域に指定されると、維持管理費として奨励金が交付され、新たな建築物を建設する際には、事前に行政へ届け出が必要となる。
杉山神社を維持管理する宗教法人杉山社の責任役員代表を務める遠藤俊一さんは「(杉山神社は)地域の文化遺産として、後世まで伝えていかなくてはいけない。都市化された中でこれだけの緑が残っているのは珍しい。皆さんに愛される場所として、緑を含めて大事に守っていきたい」と話している。
川崎市は市域の約88%が市街化区域のため土地の開発需要が高く、樹林地や農地は減少傾向にある。そんな市内の緑を守ろうと、川崎市は1995年に「川崎市緑の基本計画」を策定。今回指定した「緑の保全地域」の他に、小沢城址や生田寒谷、菅馬場谷などの「特別緑地保全地区」などさまざまな施策を定め、2017年までに272ヘクタールの緑地保全を目標に取り組んできた。
1995年当初は約100ヘクタールだったが、2015年度には236ヘクタールを達成している。
基本計画は社会情勢の変化に対応するため、2018年3月に改定を予定している。
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