歯科技工所を開業した経営者で、「神奈川がんばる企業エース」に選ばれた 石原 孝樹さん 登戸在勤 33歳
起業家魂、匠の技に込め
○…歯科技工所「QLデンタルメーカー」を2014年に登戸で開業。独自の工夫で成長する中小企業として県が認定する「神奈川がんばる企業」に2年連続で選ばれ、今年度はさらに一段階上の「エース」に選出された。今回は県内41社の認定企業のうち、エースは10社。「患者目線を大切に、歯科技工士を一生続けられる労働環境をつくりたい」と白い歯を見せる。
○…出身は自然豊かな長野県茅野市。祖父は電気工事、両親は設計事務所を営む起業家ぞろいの環境で育った。少年時代は工作に熱中し、モーター付き自動車模型「ミニ四駆」の改造や、厚紙を使った自作コースも手がけるほど。野球部で汗を流し、大学受験では工学部に合格したが辞退。「何となく社長になりたかった」と、将来への思いを抱いて歯科技工士の専門学校に進学、上京した。
○…卒業後は歯科技工士として、保険診療を中心に扱う大手企業に就職。診療報酬の仕組み上、長時間労働で大量生産を余儀なくされ、体調不良も重なって25歳で退社。自費診療を重視する小さな技工所に転職した。1日100件ペースで飛び込み営業を半年ほど継続。「関東圏内の歯医者はほとんど回った」という。入社時は5人だった社員は20人に増え、年商約2億円を稼ぐほどに成長した。先輩から歯科業界の基礎を学び、「低額な自由診療で、患者と歯科医院、歯科技工士の3者が幸せになる仕組みを提供したい」との思いで、29歳のとき2人の仲間と歯科技工所を起業。現在はパート含め20人が勤務している。
○…年商1億円以上の若手経営者による世界的組織「EO」に昨年入会。企業の規模や年代、国境を超え、異業種交流にも力を注ぐ。「メイドインジャパン(日本製)は競争力がある。海外にも売り込みたい」。夢を語った。
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11月22日