全52校の川崎市立中学校における完全給食導入から1年以上が経過し、市は栄養士による食育指導の充実に取り組んでいる。48校分の給食を担う市内3カ所の給食センターに配置される栄養士は11人。自校方式給食4校の4人と合わせ、合計15人が市全域を担う。
川崎市では市立中48校で南部・中部・北部学校給食センターで調理、配送する「センター方式」を採用。1校に1人の栄養士がつく自校方式に対し、センター方式の採用校では、48校を栄養士11人でまかなう。市教育委員会の担当者は「理想は栄養士の数を増員し食育の指導を充実させたいが、今いる栄養士で連携してやっている」と話す。
センター方式の採用校では栄養士が配送先の学校から依頼を受けて講演を行うほか、年1回を目安に現場を訪問。市教委は「1年が経ち、栄養士による食育指導を増やせないかという声もあるが、現状は安定した給食提供を行うことに注力している段階で、もう少し時間が必要と考えている」としている。
一方で、自校で調理する「自校方式」では各校1人の栄養士を配置。中野島中(多摩区)では、栄養士が給食委員会の生徒と配膳指導のVTRを作成したり、生徒集会で給食の作業工程を解説。同校食育担当の教員は「調理員が一生懸命作っていることを知り、委員の生徒を中心に食べ物を大切にしようという声がけが増えた」と話す。
小中で食育推進
市立中の給食に携わる栄養士15人のうち、教員資格も持つ栄養教諭は9人。給食管理のみを本務とする栄養士に対し、栄養教諭は学校における食育の推進役を担う。
市教委は、センター方式の採用校に給食センターにいる6人の栄養教諭のほかに、小学校18人、中学校3人の栄養教諭21人を各校に割り当て対応している。また、教職員に向けた食育に関する指導マニュアルを小中9年間通して使えるものとして改定中。今秋には配付できるよう準備を進めているという。市教委は「栄養教諭の連携やマニュアル改定などの工夫を行い、食育指導に力を入れていきたい」としている。
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