三田第4公園のベンチなど多摩区内13カ所で、差別的な落書きが11月19日と20日に見つかった。見回り中の区道路公園センター職員が19日、住民の指摘を受けて発見し、その後に相次いで確認。ベンチ等は一時的にブルーシートで覆っており、区総務課は多摩警察署に被害届を出す準備を進めている。
落書きは19日の午後2時30分ごろ、巡回中の同センター職員が三田第4公園の木製ベンチ9基で発見。「在日コリアン」「朝鮮人」などの語句を含む、民族を差別する内容だった。近隣公園を見回った結果、三田第1公園の木製ベンチ1基と日よけの支柱1本でも同様の落書きが確認された。
同センターは翌20日、区内133カ所の公園を緊急点検。三田第1公園の遊具1基と生田大谷第1公園の木製ベンチ1基でも落書きが発見された。区は多摩警察署に通報し、人権侵害として市は横浜地方法務局川崎支局に連絡した。区総務課は損害に対する被害届を出した後、ベンチ等を元に戻す予定という。三田第4公園愛護会の塩沢和美会長は「みんなが愛している公園。こういうことが起きないようにしてほしい」と思いを話す。
市建設緑政局は市内各区の道路公園センターに要所の点検を通達。20日には宮前区の公園ベンチ4基でも落書きが見つかった。今回の落書きについて市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」事務局の山田貴夫さんは「『これが差別だ。許されないことだ』と市の幹部が声明を発し、市の立ち位置をはっきりさせるべき」との考えを示す。
市市民文化局は20日、今夏施行された「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づき、インターネット上の差別表現等の拡散を防止する措置を講じた。
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