第41代の多摩警察署長に先月就任した 信澤 公昭(たかあき)さん 多摩区在住 58歳
旧交温め、一枚岩で臨む
○…14年前、生活安全課長として過ごした多摩署に、署長として帰ってきた。「多摩区は防犯意識が高いまちで協力的。自分のことを覚えてくれていた地域の方もいて感激し、やる気が出た」。前任は職員の不適正事案を扱う監察官。多くの事案に対峙し、現場の危機意識の低さに組織の弱さを感じた。「治安を維持する警察が強くなければ区民を守ることはできない」。思いを強くする。
○…警察官にあこがれて10歳で剣道を始め、中高では主将に。県警に入ると、20代の大半は機動隊で武道訓練員として鍛錬する日々を送った。逮捕術特別訓練員にも選ばれ全国大会に3度出場。警部補として臨んだ30歳のとき、優勝した。「機動隊での訓練は苦しくてきつい。苦しいことがあったから今がある」。以来、生活安全部をはじめ警務、交通ほか幅広い分野を経験し、今春24回目の異動。「刑事部以外は全て携わった」と、培ったものを生かす。
○…横浜市出身。ウルトラマンや刑事ドラマに影響を受けた少年期は、「やんちゃだけど女の子を助けたり、正義感は強かった」。今は3人の父となり、休日は中学生の次男とキャッチボールをしたり、横浜市内の自宅では日曜大工に勤しむ。日課は早朝の散歩。多摩署赴任後は区内各地を散策してきた。「二ヶ領用水や生田配水池、枡形山。多摩区に住むことで新しい発見があった」
○…警察人生40年。組織の一員として「周りの人に恵まれた」と、関係づくりや連携も重んじてきた。「失敗してもいいから積極的に」「多くの現場を経験して力をつけてほしい」と、若い警察官に教えたいことは尽きない。「早く署員の名前を覚えて、一人ひとりに話しかけたい。心を通わせて伝えられたら」。後進へ思いを託す。
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11月22日