川崎市が市制100周年を迎える2024年度に、「全国都市緑化かわさきフェア」を開催することが正式決定した。今月17日付で国土交通大臣の同意が得られ、川崎市での開催は初。市民や企業と協働した「新たなみどりの文化の醸成」を掲げ、全国に発信する。
市が誘致に力を入れてきた「全国都市緑化フェア」は、緑豊かな都市づくりの普及啓発事業として国交省が提唱する花と緑の祭典。1983年から各地で毎年開催され、川崎市は第41回となる。
開催に向けて市は、臨海部や丘陵地など地域ごとに特性のある「川崎のみどり」を活用した取り組みを検討。主会場として、市内南・中・北部に立地する総合公園「富士見公園」「等々力緑地」「生田緑地」の3カ所を設定した。生田緑地は「豊かな自然と歴史・文化・芸術の拠点」と位置づけ、市民協働の取り組みや大学等と連携した体験学習プログラムの展開を見込む。
このほか、公共施設等の協賛・連携会場も各地に設け、市全体の一体感づくりも図るという。多摩区の会場は、登戸・向ヶ丘遊園駅周辺や川崎市緑化センターを想定する。
開催期間は24年10月中旬〜11月上旬の20日間程度と、25年3月の30日間程度を予定。各区の木や花の見頃等を踏まえ、秋春の2期とした。
開催後の姿 視野に
市は学識経験者や市内団体の意見を募る懇談会を重ね、20年度にフェアの基本構想を策定。21年度は基本計画を練り、年度内に骨子を固める。
骨子案ではフェア以降も続く緑化推進に開催前から取り組むとし、「みどりでつなげる、暮らしやすく住み続けたいまち」を将来像に掲げる。懇談会委員を務めてきた市商店街連合会理事・反町充宏さんは「一過性のものではなく、豊かなまちづくりにつながる仕組みが課題であり重要。市商連として全面的に協力したい」と思いを寄せる。同じく委員の市観光協会理事・萩原ひとみさんは「フェアを契機に商店街や飲食店、ホテルなどが一緒になってこれからの川崎を盛り上げていけたら素晴らしい」と期待を寄せる。
第一歩として市は、植物を使った空間デザインの実証実験を市庁舎で今月開始。22年度には実行委員会を発足させ、具体的な計画を進めていく。福田紀彦市長は、1月18日の記者会見で「都市の中でうまくみどりをつくり出し、育んでいくことがまちの価値向上にもつながる。産業都市のような川崎だからこそ、みどりに価値を見いだしていきたい」と語った。
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