登戸駅に程近い認可保育所「メリー★ポピンズ 登戸ルーム」の入口に置かれている5つの籠。着なくなった服を誰でも自由に入れられ、気に入った服があれば持ち帰ることができる、「勝手かご」と呼ばれる取り組みだ。9月9日には、集まった服を並べたバザーの第2回を開催。地域で服を循環させることで、子育て支援につなげていく狙いがある。
「勝手かご」は同保育所を運営する社会福祉法人どろんこ会(東京都)が全国的に展開。登戸ルームも昨年4月の開所と同時に籠を設置した。
施設長の山上和希さん(30)によると、当初は認知度が低く、服がなかなか集まらなかったという。保育士同士で話し合うと「こちらから出向いてPRしては」という意見が出た。昨秋から「出張勝手かご」と銘打ち、第1火曜日に園児と散歩に行く際、勝手かごを背負うことに。登戸第一公園で服を手渡したり、取り組みを紹介するチラシを配った。
徐々に服が集まり始め、持ち帰る人も増えてきたが、今年3月ごろには多くの服が籠にたまる状態に。そこで山上さんは、季節の変わり目にバザーを開くことを考案。年3回の開催を目指し、6月に初めて実施した。
今月9日のバザーでは、同保育所4階テラスにブルーシートを広げ、200着を超える服をサイズごとに並べた。バザー前に70着程度を籠に入れたという伊達隆敬さん(42)は「子どもが1〜2歳の時に着ていた服を捨てるのがもったいなくて。3歳になり、新しい服を持って帰ろうと思う」と服を選んでいた。生後3カ月の子と訪れた奥津杏奈さん(23)は「すぐに成長するので、多くのサイズがそろうバザーはありがたい」と話した。
山上さんは20歳で同法人に入社して以来、勝手かごの取り組みによって多くの親が喜ぶ姿を各施設で見てきた。初めて施設長を任され、「取り組みをもっと地域に広げたい」という思いが原動力に。「浸透してきていると感じる」と手応えを語った。次回のバザーは12月9日に開催予定。
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