市立枡形中学校で9月30日、総合学習「エネルギー環境学習」の一つとして講演会が開かれた。日清食品ホールディングスとの共同研究で、日本初の「食べられる培養肉」の作製に成功した東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内昌治教授(50)が登壇。全校生徒約400人が話に聞き入った。
同校では2003年度からエネルギー環境学習を続けており、今年のテーマは「私たちの地球を守るために具体的な行動を広げよう〜『食』を切り口として」。生徒は夏休み中、食品ロスなど食料に関することを調査した。企画を担当する理科教諭の清水亨さん(37)は「世界的に注目される培養肉の研究を本人から聞ける貴重な機会。より深く食について考えるきっかけになれば」と、竹内教授に講演を依頼した。
竹内教授は、家畜の細胞を体外で組織培養する培養肉の作り方を写真や映像を用いながら説明。家畜を飼育するよりも地球環境に与える負荷が少ないことや、人口増加による食肉消費量の増加などの背景から培養肉の必要性を解説し、「肉は育てる時代から工場で作る時代になる」と語った。
質疑応答では、生徒から「常温保存はどのくらいできるのか」「肉だけでなく培養魚もできるのか」など、多数の質問があがった。3年生の吉田理斗さん(14)は「今後、食料難になるかもしれない中で、新しい技術で解決しようとしていることが学べてよかった」と振り返った。
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