総務省は8月1日、ふるさと納税に関する現況調査結果を発表し、川崎市では今年度、121億1500万円の税収減となる見通しを示した。全国の自治体で4番目の規模で、流出額は前年度より18億2400万円増え過去最大となった。
「危機的状況」
福田紀彦市長は1日の記者会見で、「市に納めてもらうはずのものが流出している。市民に使うことができたと思うと額は大きい」と危機感を示した。また返礼品目的の現状を踏まえ「ネットショッピング化している。市民サービスにまわる税が肉や魚に代わっている危機的状況」と現制度への不快感を表した。
ふるさと納税制度は、選んだ自治体への寄付により住民税の控除などが受けられるが、近年自治体から贈られる返礼品目的の寄付が増加し、住民税の流出が課題となっている。川崎市は地方交付税交付金の不交付団体のため流出による国の補填もなく、減収の影響が大きい。市ではこうした状況を受け、流入を増やそうと2020年に返礼品をリニューアル。市内の音響機器メーカーの高級ヘッドホンや金属加工メーカーのステンレスオーブン燻製(くんせい)機など地元の中小企業が開発、製造する工業品を追加した。「学校ふるさと応援寄附金」など使い道が明確な寄付メニューも充実させ、22年には特設サイトを開設するなど広報にも力を入れるが、流出には歯止めがかかっていない。ふるさと納税の受納額は20年度は2億5千万円、21年度は9億円、22年度は6億円に留まる。
全国の受入額は過去最高
ふるさと納税は「高所得者優遇」という批判が上がるほか、自治体間の返礼品競争の激化が問題視され、市も度々国に改善を要請している。
全国の受入額の総額は前年度比2割増の約9654億円。3年連続で過去最高を更新した。
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