パラリンピック競泳の金メダリストで、多摩区在住の成田真由美さん(53)が9月20日、母校の生田小学校を訪れ、児童らに向けて講演した。思い出話を交えながら、命の尊さや諦めないことの大切さなどを伝えた。
成田さんは1982年度に同校を卒業。南生田中学在学時に脊髄炎を発症し、下半身まひで車いす生活となった。23歳の時に始めた水泳で頭角を現し、アトランタ、シドニー、アテネ、北京、リオデジャネイロ、東京とパラ6大会に出場。金15個を含む20個のメダルを獲得した。
講演会は同校が今年創立150周年を迎えることを記念して開催された。成田さんは過去にテレビ番組の企画で同校を訪れたことはあったものの講演は今回が初めて。会場の体育館には4年生から6年生までの児童約240人が集まって「先輩」の話に耳を傾けた。
児童の前に車いすで登場した成田さんは、「見た目ではわからない病気や障害のある人がいることを忘れないで」「困っている人には『手伝いましょうか』と勇気を出して声をかけて。その人にとって何が必要かを確かめて」と呼びかけた。
小学生の頃は水泳が嫌いだったという逸話も披露。「みんなにはたくさん選択肢がある。ちょっとしたきっかけで大嫌いが大好きに変わるかもしれない」と話した。
成田さんはライバルのドイツ選手の存在や周囲の支えのもと、高い目標と強い気持ちで困難を乗り越えてきたという経験談を語り、「失敗を恐れず夢や目標に向かって突き進んで。悲しいことがあっても一人で悩まずたくさんの人に相談して」と語りかけた。
終盤には、「人生には悲しいことより、うれしいことのほうがたくさんある」とし、「いろいろな波はあるけれど、命は一つしかない大切なもの。このことを決して忘れないで」と訴えた。
成田さんは、児童からの質問にも丁寧に答え、最後に校歌の斉唱が贈られると、子どもたちと一緒に口ずさんでいた。
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